5. 【解説】資産形成をはやいうちからスタートする利点とは?
資産形成をはやいうちから行うことでメリットがあるのも事実です。
NISAもiDeCoも長い時間をかけて資産を増やすことを前提にした制度のため、はやく始めればその分だけ恩恵を受けられます。
例えば、投資信託は元本が保証されている商品ではないため、マイナスになることもあります。しかし、運用年数が長ければ資産がマイナスになる可能性を減らせます。
また、自分に合った資産形成の方法というのは人によって異なるものです。若いうちからいろいろ試してみると勉強にもなるでしょう。
6. 老後の資金も大切だが、若いうちにしかできない経験があることも忘れずに
「老後が不安」「ボーナスは貯めておく」と話す若者のコメントをよく耳にします。
こうしたコメントを聞くと「うちの子は貯蓄しているの?」「老後のことをきちんと考えているのだろうか?」と不安になるものです。
たしかに、老後のための資産形成を20歳代・30歳代からすでに行っている人はいますし、「お金をなるべく使いたくない」と考える若者は多くいます。
しかし、20歳代・30歳代と一括りにしても、これらの年代間でも経済的な格差があるのが事実。「新卒の給与アップ」や「従業員の賃金アップ」なども話題になっていますが、現状は若手の賃金を大きくアップしている企業の方が少ないくらいでしょう。
我が子の貯蓄がないに等しい場合、本人が趣味や娯楽に多くの出費をしているわけではなく、生活費で精一杯、あるいは余剰資金がほとんどないというケースは多くあります。
また、20歳代や30歳代にしかできない経験があることも忘れてはなりません。
若いうちに経験することで将来の自分につながったり、感性がゆたかになったりするもの。
経験をするにはお金が必要なことも多く「経験や娯楽のための支出」と「貯蓄」のバランスが大切だといえるでしょう。
参考資料
- 金融庁「金融経済教育推進機構の設立について」
- 運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料 (2023年3月末)」
- 野村アセットマネジメント資産運用研究所「投資信託に関する意識調査2024」
- 金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」2023年9月末時点
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
西田 梨紗