2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。

なお、4月1日より以前に相続が開始した場合も、3年の猶予期間があるものの義務化の対象となります。

持ち家、賃貸論争は終活において決して小さくない問題。どちらが得かは一概に正解はなく、それぞれメリット・デメリットがあります。

地域にもよりますが、不動産価格は長年上昇傾向にありました。そのため、購入時の負担も増加傾向にあります。

筆者が前職の信用金庫時代は、実際にこれから住宅ローンを組む方と接する機会が多くありました。

当たり前ですが、住宅ローンを組めることと返済できることは違います。

住宅ローンは一度組むと返済しなければなりません。老後に関わることを考えても、持ち家・賃貸の選択は大切です。

今回は「相続登記」の概要を踏まえながら、住宅に関する意識調査結果を確認していきます。記事の後半では、統語の住まいを考える際に気をつけたいポイント、70歳代の貯蓄事情も解説していきます。

1. そもそも「相続登記」とは? 老後の住まいでおさえたい終活ポイント3つ

登記簿をみても所有者がわからない「所有者不明土地」の増加が、相続登記の義務化が進められた背景のひとつ。

土地や建物といった不動産の適切な管理を主な目的として、相続登記が定められました。

相続登記の概要とポイントについて、おさらいしておきましょう。

1.1 不動産(土地・建物)を相続で取得したと「知った日」から3年以内の登記

相続人は、不動産(土地・不動産)を取得したと知った日から3年以内に、法務局に申請して相続登記することが法律上の義務となりました。

正当な理由なく登記をしない場合、10万円以下の過料(罰金)が科される可能性があります。

1.2 遺産分割の話し合いで得た不動産も登記の対象

相続人が複数の場合に行われる「遺産分割」の話し合いによって不動産を取得した場合も、3年以内に登記する必要があります。

相続人が複数人いる場合には、早めの対応が必要となる場合が多くなるといえるでしょう。

詳しくはお近くの法務局(予約制の手続案内)や法務省ホームページをチェックしてみてください。

次の章からは「老後の住まい」に関する意識調査の結果から、シニアの本音を探っていきましょう。