近年、生活に困窮する方を中心に様々な場面で「現金給付」が行われています。
特によく見聞きするのが「住民税非課税世帯を対象に」といった文言ではないでしょうか。
「自分には該当しない」という理由で、なんとなく聞き流している方も多いかもしれません。
しかし、「住民税非課税世帯」とはどういった人が該当するのか気になる人もいるでしょう。
そこで本記事では、「住民税非課税世帯」となる要件を確認していきます。
また、高齢者世帯における住民税非課税世帯の割合が高いというデータがありますので、記事後半では、高齢者の年金収入や貯蓄額などのお金事情も覗いていきたいと思います。
1. 「住民税非課税世帯」とは?
住民税非課税世帯とは、文字通り「住民税」が「課税されない」世帯を指します。
住民税とは、都道府県や市区町村がおこなう行政サービスのために支払う税金です。
お住まいの地域のゴミ処理や、教育・福祉などを含む生活環境を維持するための大切な資金源となります。
住民税は前年(1月から12月まで)の所得に応じて決定するため、たとえいま無職で収入がなくても、前年に一定の所得があれば住民税が課されます。
なお、住民税は「均等割」と「所得割」の2種類で構成されており、前年の所得が両方の基準を満たさない場合に「住民税非課税世帯」となります。
◆住民税:「均等割」と「所得割」◆
均等割:非課税限度額を上回る場合に定額を負担
- 市町村民税:3500円
- 道府県民税:1500円
所得割」納税義務者の所得金額に応じて一律10%を負担
- 市町村民税:6%
- 道府県民税:4%
住民税の計算方法は基本的にどの自治体においても同じですが、自治体によって基準が異なったり、独自の上乗せがあるため、「住んでいる地域によって違う」と認識しておきましょう。
なお、この「住んでいる地域」ですが、その年の1月1日現在の住所が基準となる点にご留意ください。
では、「住民税非課税世帯」となる収入や所得の目安はどれくらいなのでしょうか。
次章で詳しく見ていきます。