4. 2024年の遺族年金の年金額
2024年4月の年金額改定に伴い、遺族厚生年金の年金額も改定されました。
男女別に遺族厚生年金の年金額の計算方法を紹介します。遺族基礎年金の対象となる子どもはいないものとします。
夫が65歳未満で妻が死亡して遺族厚生年金を受給する場合、次の通り計算します。
夫に老齢年金の受給権があれば、老齢年金か遺族年金のどちらかを選択します。
- 夫の年金額=妻の老齢厚生年金額×3/4
夫が65歳以降は次の通り計算します。
金額がマイナスだと遺族厚生年金は受け取れません。
- 夫の年金額=妻の老齢厚生年金額×3/4-夫の老齢厚生年金額
妻が65歳未満で夫が死亡して遺族厚生年金を受給する場合、次の通り計算します。
夫と違って年齢制限はありません。
また、年金額に加算があります。
- 妻の年金額=夫の老齢厚生年金額×3/4+中高齢寡婦加算(2024年度は61万2000円)
妻が65歳以降は次の通り計算します。
1956年4月1日以前に生まれた人などには加算があり、加算額は生年月日によって異なります。
- 妻の年金額=夫の老齢厚生年金額×3/4+経過的寡婦加算-夫の老齢厚生年金額
5. まとめにかえて
遺族厚生年金の受給者は女性が97.1%に対し男性は1.6%と、男性はもらいにくいのが現状です。
遺族年金の受給要件が男性に不利であることと、一般的に男性のほうが老齢厚生年金の受給額が高いことが原因です。
厚生年金の加入期間が長い人は、遺族厚生年金を受給できないことを前提に、配偶者がいなくなった後の生活設計を考えましょう。
夫婦で年金事務所に行って、事前にそれぞれの遺族年金額を確認することをおすすめします。
参考資料
西岡 秀泰