2. 遺族年金の受給状況
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。前述の厚生労働省資料によると、それぞれの受給状況は次の通りです。
2.1 遺族年金の受給者数と割合
【遺族基礎年金】
- 夫:1万4117人(17.1%)
- 妻:6万1913人(74.9%)
- 子ども・ほか:6664人(8.1%)
- 合計:8万2694人(100.0%)
【遺族厚生年金】
- 夫:9万2201人(1.6%)
- 妻:554万6313人(97.1%)
- 子ども・ほか:7万5604人(1.3%)
- 合計:571万4118人(100.0%)
2.2 遺族厚生年金の受給者は遺族基礎年金より多い
遺族基礎年金の受給者約8万人に対し、遺族厚生年金は約571万人と大半を占めます。
遺族基礎年金は、次の要件を満たす子どもがいないと配偶者や子どもに支給されないからです。
- 18歳到達年度の末日まで(高校卒業の3月まで)の子ども
- 1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子ども
遺族年金受給者の約96%は60歳以上と高齢で、上記条件を満たす子どもがいないケースが大半です。
2.3 女性の受給者は男性より多い
受給者に占める妻の割合は非常に高く、特に遺族厚生年金の受給者は大半が妻です。
- 遺族基礎年金:妻の割合が74.9%
- 遺族厚生年金:妻の割合が97.1%
夫は遺族年金、特に遺族厚生年金をもらいにくいと言っていいでしょう。
次章では、男性が遺族厚生年金をもらいにくい理由と2024年の年金額を解説します。