3. 6月送付「年金振込通知書」でわかる年金手取り額:チェックしたい7項目

通常6月頃に送付される「年金振込通知書」で知ることができるのは、1年間の年金額だけでありません。

その他にも天引きされるお金、年金の手取り額などをチェックできます。

「年金振込通知書」の記載内容としておさえておきたい項目について、もう少し詳しく確認しましょう。

【写真全5枚中3枚目】年金振込通知書

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

3.1 (1)年金支払額

一度の年金支給日につき、支払われる年金額(控除前)が記載されています。

なお、この金額は月額ではなく2ヶ月分であることに注意しましょう。

3.2 (2)介護保険料額(※)

年金から特別徴収(天引き)される介護保険料額が記載されています。

介護保険料とは、公的介護保険制度に加入するすべての方が支払う義務のある社会保険料です。65歳以上は第1号となり、健康保険料とは切り離して単独で支払います。

年金が18万円以上の場合、介護保険料は年金から天引きされます。また、自身が介護状態になった場合でも支払いは継続する点に注意が必要です。

3.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)(※)

年金から天引きされる後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の金額が記載されています。

ただし、特別徴収(天引き)されるときに表示されるため、普通徴収(納付書や口座振替)で納めるケースなどで記載がない方もいます。

3.4 (4)所得税額および復興特別所得税額

公的年金は「雑所得」扱いとされ、65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税されます。

さらに「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税に併せて復興特別所得税もかかります。

なお、遺族年金や障害年金は非課税です。

3.5 (5)個人住民税額(※)

年金から特別徴収(天引き)される個人住民税が記載されます。前年の年金所得にかかる分が計算対象です。

また、所得税と同様に障害年金や遺族年金を受給する場合は非課税となり、支払い義務は発生しません。

3.6 (6)控除後振込額

年金額から特別徴収(天引き)される社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の振込金額が記載されています。

これが額面上の金額から諸々天引きされた後の、いわゆる「手取り金額」。見落とさずにチェックしましょう。

3.7 (7)(公的年金の)振込先

年金が振り込まれる金融機関の支店名が表示されます。忘れがちですが、おさえておきたい確認ポイントです。

その理由は、多くの口座を所有していたり、年金請求から日が経っていたりする場合、どの金融機関に届け出たか忘れてしまう可能性もあるため。自分が想像していた通りの振込先かはきちんとチェックしておくとよいでしょう。

「年金振込通知書」には、6月から翌年4月(2カ月に1回)まで毎回支払われる金額が記載されます。

ただし上記の項目横に(※)がつけられた項目は、8月以降の予定額として記載されるため注意が必要です。8月以降に金額が再計算されて変わる可能性があります。

詳しくは、市区町村から送付される通知書でご確認ください。

それでは、天引きされる前の年金の額面はいくらぐらいなのでしょうか。次の章から、国民年金と厚生年金の平均受給額、受給額のボリュームゾーンをそれぞれ確認します。