物価上昇や老後資金への不安が続く中、40代・50代は「貯蓄の差」が将来に直結しやすい重要な時期です。

特に2月は家計を見直すタイミングとして意識されやすく、「自分の貯蓄は平均と比べてどうなのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。

各種の統計調査によると、同じ年代でも「平均」と「中央値」に大きな差があることがわかっています。

本記事では、世帯別の貯蓄額の実態を整理しながら、老後に不安を感じる人と安心できる人の違いについてわかりやすく解説します。

1. 【単身世帯の平均貯蓄額】みんなの「貯蓄額(平均・中央値)」はいくら?

まずは、金融経済教育推進機構の「2025年 家計の金融行動に関する世論調査」を参照し、単身世帯における貯蓄額の実態を確認します。

平均貯蓄額

平均貯蓄額

出所:金融経済教育推進機構「2025年家計の金融行動に関する世論調査」をもとにLIMO編集部作成

 

1.1 40歳代・単身世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 金融資産非保有:32.1%
  • 100万円未満:15.1%
  • 100~200万円未満:7.1%
  • 200~300万円未満:5.9%
  • 300~400万円未満:4.3%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:6.2%
  • 1500~2000万円未満:1.2%
  • 2000~3000万円未満:2.8%
  • 3000万円以上:9.9%
  • 無回答:2.5%
  • 平均:859万円
  • 中央値:100万円

40歳代では、平均貯蓄額が859万円である一方、中央値は100万円にとどまり、大きな開きが見られます。

また、金額帯別に見ると、金融資産を保有していない世帯や、貯蓄額が100万円未満の世帯も一定数存在しています。

1.2 50歳代・単身世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 金融資産非保有:35.2%
  • 100万円未満:10.1%
  • 100~200万円未満:7.4%
  • 200~300万円未満:4.6%
  • 300~400万円未満:2.7%
  • 400~500万円未満:3.3%
  • 500~700万円未満:4.9%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:6.0%
  • 1500~2000万円未満:3.3%
  • 2000~3000万円未満:5.5%
  • 3000万円以上:10.4%
  • 無回答:1.9%
  • 平均:999万円
  • 中央値:120万円

50歳代では平均貯蓄額が1000万円前後まで増加しますが、中央値は120万円にとどまっています。

では、老後生活に入る60~70歳代では、貯蓄額はどのような水準になっているのでしょうか。

1.3 60歳代・単身世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 平均:1364万円
  • 中央値:300万円

1.4 70歳代・単身世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 平均:1489万円
  • 中央値:500万円

60~70歳代では、平均貯蓄額がおおむね1300万~1400万円台、中央値は300万~500万円となっています。

退職金や相続などの影響もあり、平均値は上昇しやすく、貯蓄状況には依然として大きなばらつきが見られます。

2. 【二人以上世帯の平均貯蓄額】みんなの「貯蓄額(平均・中央値)」はいくら?

続いて、同資料より二人以上世帯についても見てみましょう。

平均貯蓄額

平均貯蓄額

出所:金融経済教育推進機構「2025年家計の金融行動に関する世論調査」をもとにLIMO編集部作成

 

2.1 40歳代・二人以上世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 金融資産非保有:18.8%
  • 100万円未満:10.0%
  • 100~200万円未満:6.2%
  • 200~300万円未満:5.1%
  • 300~400万円未満:4.4%
  • 400~500万円未満:2.6%
  • 500~700万円未満:7.3%
  • 700~1000万円未満:6.1%
  • 1000~1500万円未満:9.7%
  • 1500~2000万円未満:6.5%
  • 2000~3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:13.1%
  • 無回答:2.1%
  • 平均:1486万円
  • 中央値:500万円

子どもの養育や住宅費、教育費などの負担が大きい年代であるものの、平均貯蓄額は1500万円前後、中央値は500万円となっています。

2.2 50歳代・二人以上世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 金融資産非保有:18.2%
  • 100万円未満:6.5%
  • 100~200万円未満:6.4%
  • 200~300万円未満:4.1%
  • 300~400万円未満:3.5%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:6.7%
  • 700~1000万円未満:7.7%
  • 1000~1500万円未満:9.3%
  • 1500~2000万円未満:6.1%
  • 2000~3000万円未満:8.1%
  • 3000万円以上:18.8%
  • 無回答:2.2%
  • 平均:1908万円
  • 中央値:700万円

50歳代では平均貯蓄額が2000万円に迫り、中央値も700万円に達しています。

一方で、全体のおよそ2割は貯蓄額が100万円未満にとどまっています。

2.3 60歳代・二人以上世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 平均:2683万円
  • 中央値:1400万円

2.4 70歳代・二人以上世帯の「平均貯蓄額と中央値」を見る

  • 平均:2416万円
  • 中央値:1178万円

60~70歳代では、平均貯蓄額が2000万円を超え、中央値も1000万円を上回っています。

3. 「老後が不安な人」と「老後に安心感を持てる人」に見られる3つの違い

では、老後資金に対して不安を抱く人と、安心して老後を迎えられる人とでは、どのような点に差があるのでしょうか。

3.1 違い1:老後いくら必要かわかっているか、わかっていないか

老後に不安を抱きやすい人は、「老後の生活費がどの程度必要なのか」「公的年金はいくら受け取れるのか」「自分にとって必要な老後資金はいくらか」といった点が整理できていないケースが多いと考えられます。

現状を把握せず、具体的な備えをしていないことが、不安につながっているのです。

まずは老後の生活費を試算し、ねんきんネットなどを活用して将来の年金受給見込み額を確認してみましょう。

そのうえで必要となる老後資金を明確にし、どのくらいのペースで、いくらを、どの金融商品で準備していくのかを具体的に検討することが大切です。

3.2 違い2:「お金が貯まる仕組み」を利用しているか、していないか

貯蓄を意思の力だけに任せると続きにくく、月ごとに貯蓄額が安定しないことも少なくありません。

そこで有効なのが、給料日に先に貯蓄分を確保し、残ったお金で生活する「先取り貯蓄」です。

金融機関の中には、毎月自動で積み立てを行えるサービスもあるため、一度確認してみるとよいでしょう。

このように「お金が自然に貯まる仕組み」を取り入れることで、忙しい毎日でも無理なく貯蓄を続けることができます。

3.3 違い3:老後に向けてお金や働き方、暮らしを考えて見直しているか、いないか

老後に向けた備えには、さまざまな選択肢があります。

資金面で準備を進めることはもちろんですが、将来どのような生活を送りたいのかを考えることも欠かせません。

暮らし方次第では固定費を見直す余地もあり、50歳代を迎えたら生活規模の縮小を検討するのも一案です。

加えて、働き方についても、60歳代以降も就労を続ける人が増えており、以前に比べて選択肢は広がっています。

人生100年時代といわれる今、長期的な視点でキャリアを見据え、収入を確保・拡大する方法について考えてみることも重要でしょう。

定期的に情報を確認し、その都度見直していく姿勢を大切にしましょう。

4. 老後資金の考え方と今すぐできる対策

40代・50代の貯蓄額は個人差が大きく、「平均」を見て不安になる人も少なくありません。

しかし実際には、平均値は一部の層に引き上げられているため、より実態に近いのは中央値です。自分の位置を正しく把握することが、冷静な判断につながります。

また、老後に安心感を持てる人は、単に貯蓄額が多いだけでなく、「必要な金額を把握している」「自動で貯まる仕組みを作っている」「生活や働き方を見直している」といった共通点があります。

今からでも改善できるポイントは多く、行動するかどうかが将来の差を生みます。

2月のこの時期は、家計や資産状況を見直す絶好のタイミングです。平均や中央値と比較しながら、自分に合った貯蓄戦略を考え、早めの対策を進めていくことが大切です。

ぜひ一度、ご自身の資産状況を確認してみてください。

参考資料