7. 「住民税非課税世帯」の年代別割合
住民税非課税世帯は、実際には高齢者世帯が多くを占めています。
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」より、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を確認しましょう。
- 30歳代:9.2%
- 40歳代:9.2%
- 50歳代:11.3%
- 60歳代:19.2%
- 70歳代:34.9%
- 80歳代:44.7%
年齢を追うごとに、住民税非課税世帯の割合が増えることがわかります。
では、住民税非課税世帯を母数とした場合にどの年代が多くを占めているのでしょうか。
同様の資料からは、70~79歳が占める割合が37%、80歳以上が占める割合が29%とわかっています。
つまり、70歳代以上が合わせて66%を占めているということです。
年金生活になれば収入は下がることが一般的であるため、世帯収入が下がると住民税非課税世帯に該当しやすくなるでしょう。
また、年金収入の控除額は給与の所得控除よりも大きいため、所得としてあがりにくいとも考えられます。
物価高の今、年金は実質には減額が続いているため、今後も高齢者の生活は厳しくなることが予想されます。給付金が心強い存在になる一方で、収入を補う貯蓄も個人で考えておく必要があるでしょう。
8. まとめにかえて
まもなく定額減税が始まります。
1人あたり4万円の減税となりますが、税金を払っていない世帯は恩恵が受けられないため、すでに7万円or10万円の支給も始まっています。
住民税非課税世帯は、実際には高齢者が多いこともわかりました。
政府の施策として給付金や減税が行われていますが、これだけで物価高を乗り越えられるわけではありません。
考え方は人それぞれですが、住民税が非課税になったからと言って裕福な生活になるわけでもないでしょう。
老後生活を豊かにするためには、個人による自助努力も求められます。
【お金】の問題を解決できるのは自分だけということを第一に考えて、準備を進めていきたいですね。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 内閣府「物価・賃金・生活総合対策本部(第8回)議事次第」2023年3月22日
- 首相官邸「所得税・住民税の定額減税」
- 国税庁「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」
- 厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」
- 内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」
堀江 啓介