2024年11月22日、政府は、住民税非課税世帯に対し1世帯につき3万円(子ども1人につき2万円加算)の給付金を支給すると決定しました。

これまでも、住民税非課税世帯を対象にたびたび給付金が支給されてきており、不公平だという意見も散見されます。

本記事では、政府が発表した給付金の内容や、同じく予定されている電気・ガス料金の支援内容について解説していきます。

1. 住民税非課税世帯への給付金と電気・ガス料金の支援を検討

政府は、物価上昇の影響を受けやすい低所得者世帯(住民税非課税世帯)に対して、1世帯あたり3万円の給付金を支給すると決定。当該世帯の子ども1人に対しては、2万円が加算されます。

【写真全3枚】1枚目/住民税非課税世帯への給付金について(内閣府)、2枚目/年代別:住民税非課税世帯の割合1/3

住民税非課税世帯への給付金について(内閣府)

出所:内閣府特命担当大臣「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」

また、電気・ガス料金の支援についても、2025年1月から3月に実施が決定しました。政府から電気・ガス事業者に補助を行うことで、各家庭が負担する料金を軽減するとしています。

さらに、年内を期限とされていたガソリン補助金は、2025年1月以降も当面継続されますが、補助額は徐々に縮小される見通しです。

2. 住民税非課税世帯は高齢者世帯に多い

厚生労働省が公表した「令和5年 国民生活基礎調査」によると、全世帯のうち約24.2%が住民税非課税世帯に該当するとされています。約4世帯に1世帯が該当する計算です。

各年代における、住民税非課税世帯の割合は以下の通りです。

年代別:住民税非課税世帯の割合2/3

年代別:住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」をもとに筆者作成

  • 29歳以下:32.7%
  • 30歳代:11.9%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.5%
  • 60歳代:21.6%
  • 70歳代:35.8%
  • 80歳代:52.5%

年齢が高くなるにつれ、住民税非課税世帯が増加していくことがわかります。60歳代では21.6%ですが、70歳代になると35.8%に増加します。さらに、80歳以上では52.5%を占めており、半数弱の世帯が住民税非課税世帯に該当することになります。

予定されている3万円の給付金は、高齢者ほど支給対象者が多くなると考えられるでしょう。

なお、住民税非課税世帯に該当するからといって、必ずしも生活が苦しいというわけではありません。というのも、住民税の計算においては、貯蓄などの保有資産が反映されていないためです。収入自体は低くても、資産は豊富にあるというケースもあり得るということです。

3. 住民税非課税世帯とは

住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税に該当する世帯のことです。

住民税は、誰でも等しく負担する「均等割」と、所得に応じて負担する「所得割」の2つで成り立っており、均等割と所得割のいずれも非課税になる場合に、「住民税が非課税になる」といいます。

住民税が非課税となる条件は、自治体により異なるため、ここでは例として、東京都中央区の条件をご紹介します。

中央区で住民税が非課税になるのは、次のいずれかの条件に該当する場合です。

  • 生活保護法による生活扶助を受けている方
  • 1月1日時点において、障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)で、前年の所得が135万円以下の方
  • 前年の合計所得が以下の金額以下の方
    1. 扶養親族等のいない方:35万円+10万円
    2. 扶養親族等のいる方:35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+10万円+21万円

3.1 住民税が非課税となる年収の目安

住民税が非課税になる年収は、自治体により異なります。ここでは目安として、東京都港区の例をご紹介します。

  • パートやアルバイトなどの給与収入が100万円以下
  • 年金受給者(65歳以上)のみの場合、年金収入155万円以下
  • 年金受給者(65歳未満)のみの場合、年金収入105万円以下
  • 不動産収入等の所得がある場合、収入から必要経費を引いた合計所得が45万円以下

働いて給与を得ている場合は100万円以下、年金を受給している場合は155万円以下(65歳未満は105万円以下)であれば住民税が非課税になります。

ご自身の自治体ではどのように決められているか、公式サイト等で確認してください。

4. まとめにかえて

政府は、2025年に住民税非課税世帯に対し、1世帯当たり3万円の給付を行うことを検討していると発表しました。子どもがいる世帯に対しては、子ども1人当たり2万円が支給される予定です。

併せて、冬場のエネルギー価格の高騰対策も行われる予定で、2025年1月から3月にかけて電気・ガス料金の支援が行われる見込みです。

詳しい内容はまだ発表されていないため、今後の政府からの発表を待ちましょう。

参考資料

木内 菜穂子