公的年金の支給額は、2024年6月支払い分より増額となる予定です。

一方で、総務省が公表した「家計調査報告 家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月「3万7916円」の赤字が出る結果となりました。

これからの日本では、公的年金を頼りに老後の生活を維持するのは難しくなっていくでしょう。そのため、現役時代の貯蓄が老後生活を支えることになります。

そこで今回は2024年度に改定された年金額をおさらいし、50歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額をみていきます。

1. 【2024年度の年金額】2.7%増額の増額改定

まずは老後の収入源である「年金」の、最新の年金額例をおさらいしておきましょう。

年金額は毎年度改定されますが、今回は厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみます。

1.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額

  • 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
  • 厚生年金※:23万483円(+6001円)

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。

割合にするとおよそ前年比で+2.7%の増額ということになります。

一見すると年金額が増えて生活が楽になるように感じるかもしれませんが、実はそうではありません。

厚生労働省の資料によると、物価上昇率は前年比で+3.2%となっていて、年金の受給額に比べて物価上昇率が高くなっています。

これは、年金額の実質的な目減りを表しており、このような実質的な収入は今後も減少していくと考えられます。

そのため、年金だけで生活することがますます難しくなっていくでしょう。では、50歳代のみなさんは平均していくらぐらい貯蓄しているのでしょうか。

ここからは、気になる50歳代・二人以上世帯の貯蓄額をグラフでご紹介し、「貯蓄1000万円以上」の割合を見ていきます。

また、厚生年金の受給権者数について「月額1万円~30万円以上」まで、1万円ごとに一覧で紹介しています。現代シニアのお金事情を深堀りしていきましょう。