2024年3月、2024(令和6)年度の公務員試験が実施される予定です。「一生安泰」というイメージがある国家公務員への転職を目指す方もいるでしょう。
国家公務員として定年まで働いた場合、どのくらいの退職金を受け取れるのでしょうか。実は、定年退職時に「再任用」制度を選択する人が増えているようです。
今回は、公務員の退職金と定年退職後の現況について詳細を確認していきます。あわせて大企業や中小企業に勤めている人の、定年退職金についても紹介しているので参考にしてみてください。
1. そもそも「国家公務員」と「地方公務員」の違いとは?
公務員は、国や自治体に勤務し、営利を目的とせず社会作りを仕事としている人を指し、「国家公務員」と「地方公務員」に区分されています。
それぞれの具体的な職種は下記のとおりです。
- 国家公務員:自衛官、裁判官、検察官、国会議員、大使
- 地方公務員:教員、役場職員、警察官、消防官、自治体議員
2022年度時点で、公務員全体335万3000人のうち国家公務員は約58万9000人。全体の17.6%を占めていました。
地方公務員の場合は、勤務する都道府県や市町村によって給与水準や退職金が異なるため、今回は国家公務員の退職金について紹介していきます。
2. 【国家公務員】定年退職金の平均支給額を「勤続年数」でチェック
国家公務員が定年退職時に受け取る退職金は、勤続年数により金額が変わります。
内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」によると、国家公務員の退職金平均支給額(定年退職)を勤続年数で下記のように推移しています。
【常勤職員】
- 5年未満:158万7000円
- 5年~9年:446万8000円
- 10年~14年:713万7000円
- 15年~19年:1159万1000円
- 20年~24年:1309万2000円
- 25年~29年:1663万2000円
- 30年~34年:1991万7000円
- 35年~39年:2303万8000円
- 40年以上:2234万7000円
【うち行政職俸給表(一)適用者】
- 5年未満: 84万8000円
- 5年~9年:451万8000円
- 10年~14年:675万7000円
- 15年~19年:1016万6000円
- 20年~24年:1352万4000円
- 25年~29年:1625万6000円
- 30年~34年: 2037万円
- 35年~39年:2189万1000円
- 40年以上:2139万1000円
上記表のとおり、勤続年数が長いほど退職金額が増加傾向にあります。これは会社員であっても同じ傾向にあると言えるでしょう。
さらに同じ勤続年数でも「自己都合退職」や「応募認定」などで金額が大きく変わることがわかります。
3. 【全体平均】国家公務員の定年時の退職金は「2000万円超」
内閣官房の退職金に関する調査によると、国家公務員の退職金は下記のとおりです。
常勤職員、行政職俸給表(一)適用者ともに、平均支給額が2000万円以上であることから、国家公務員の退職時の退職金は2000万円を超える可能性が高いといえます。
潤沢にも思える公務員の退職金、実は退職後に再度勤務する「再任用」を選択する人が急増しているとのことです。