日本企業は終身雇用ですから、新卒採用が基本です。最近は転職も増えてきましたが、無職(フリーターを含む)の人を採用する企業は非常に少ないようです。

したがって、内定を得ずに卒業することは、学生の人生にとって大きなマイナスとなりかねません。「不本意な就職先でもとにかく就職させて転職活動をさせる」「1年分の学費を払って留年させ、就職活動を続けさせる」といった選択肢をご検討ください。

もっとも、そうなる前に対策が必要です。就職が決まらずに卒業してしまう学生には、2つのタイプがあります。1つは危機感が乏しい学生です。マイペースで就活をしていて、内定がなくても焦らず「何とかなるさ」と考えている間に卒業してしまうわけです。今一つは、真面目すぎて、不合格通知を受け続けている間に心が折れてしまう学生です。

秋になっても内定が出ていない学生については、それとなく様子を聞いてみたほうが良いかも知れませんね。大学の就職部には、秋になっても冬になっても結構な数の求人情報が来ているはずですので、就職部に行くように仕向けてはいかがでしょうか。

内定先について不満を言わないで!

学生が涙ぐましい努力をして勝ち取った内定です。保護者の方は、「そんな三流会社の内定など断ってこい」と言いたくなる場合もあるでしょうが、それは決して言わないでください。三流会社の内定でも、あるとないでは天と地の差ですから。

そもそも、学生が一生勤めるかも知れない会社のことを「三流会社」などと呼ぶと、学生が自分の勤務先や仕事に誇りを持つことができなくなってしまいます。それは学生にとって決して望ましいことではありません。

よくあるのが、「自分は高卒で二流企業に就職した。子供は苦労して大学を出してやったのに、就職先は二流企業だった。ケシカラン」と怒るケースです。これは、仕方のない場合も多いのです。親の経済状態のことは脇に置いておくとすれば、保護者の時代、同期の平均点の子は高卒で就職しました。今は、同期の平均点の子は大学に進学します。つまり、保護者も子も同期の平均点であった場合、そういうことは自然に起きるのです。

本稿は以上ですが、筆者の学生向けメッセージ(『就活成功のカギは落ちても落ち込まないこと』、『就活では、学生時代の「成長」をしっかりPRすべし』、『就活の悩みどころは志望動機。時には本音と建前の使い分けも必要』)も併せてご覧いただければ幸いです。

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塚崎 公義