今年の冬は、一部期間を除き比較的暖かい時期が続いています。
首都圏でも積雪があり、交通に影響があった時もありますが、最近では大きな被害も少なくなっています。
立春も過ぎ、春はすぐそこ。新しい年度である2024年度は、公的年金額の引上げも決まっています。
年金額は多いに越したことがありませんよね。
そこで今回は、公的な年金を増やす方法として考えることが多い年金の繰下げ受給について、考えてみたいと思います。
1. 公的年金の繰下げ受給とは
老後の年金を増やす場合には、国民年金保険料を払うことや、厚生年金に加入し高い給与をもらい、なるべく長く働くことで、多くの年金を受給することができます。
厚生年金には70歳まで加入することができるので、定年退職後も条件を満たせば、厚生年金に加入し働くことは可能です。
働くこと以外には、年金を繰り下げて(遅らせて)受け取る繰下げ受給という選択肢があります。
老齢基礎年金(国民年金部分)や老齢厚生年金は、通常65歳からの受け取りが始まりますが、65歳から受け取らずに66歳以降1ヶ月単位で、75歳までの間で繰り下げて増額した年金を受け取ることができます。
増額率は一生涯変わることがないのです。
なお増額率は、1ヶ月あたり0.7%。1年間繰り下げることで、0.7% × 12ヶ月=8.4%、10年間繰り下げる場合は0.7% × 12ヶ月×10年=84%の増額となります。
例えば、老齢厚生年金を120万円、老齢基礎年金を80万円受給できる方が、どちらの年金も66歳1ヶ月で繰下げをする場合、65歳からの受給はありませんが、13ヶ月繰り下げることで、9.1%増額された年金を受給することが出来ます。
- 老齢厚生年金 120万円 ×(1+0.007×13月) = 130万9200円
- 老齢基礎年金 80万円 ×(1+0.007×13月) =87万2800円
- 130万9200円 + 87万2800円 = 合計218万2000円
通常65歳から合計200万円受給できる年金を13ヶ月繰り下げることで、218万2000円となり、18万2000円増えた金額が一生涯もらえることになります。
75歳まで繰り下げると65歳から受給できませんが、75歳からは84%増額された368万円となります。
年金額が増えることについてはメリットが多いのですが、もちろんデメリットもあるのです。