5. まとめにかえて

終活と聞くと、暗いイメージがあり、考えることを躊躇してしまう人が多いのではないでしょうか。

しかし、聡子さんの体験からも分かるように、終活とは「自分が大切にしているものは何か」を考え続けることであり、とても前向きなこと。

これは単なる感情論ではないでしょう。40歳~50歳代で終活を意識することで、その後のマネー&ライフプランも変わってくるかもしれません。

「人生100年時代」という超長寿時代に老後を過ごす私たち。健康で長寿を全うできれば嬉しいことですが、「そうではないとき」も含めた覚悟が必要。

この記事が、働き盛りの現役世代のみなさんが、終活をはじめるきっかけになればと思います。

5.1 【一覧表】親世代の年金&貯蓄額「平均や中央値を知っていますか?」

【年金・貯蓄の一覧表】今のシニア世代の「公的年金」と「貯蓄事情」

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 令和5年(2023年)二人以上世帯・単身世帯」をもとに筆者作成

今のシニア世代が受け取る公的年金の平均月額や、金融資産の平均・中央値は以下の通りです。

5.2  国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

5.3  厚生年金(老齢厚生年金)の受給額※国民年金の金額を含む

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

5.4  70歳代世帯の金融資産保有額

  • <二人以上世帯>平均1906万円・中央値800万円
  • <単身世帯>平均1433万円・中央値485万円

参考資料

佐橋 ちひろ