「40~50歳代でもう終活?」この記事のタイトルをご覧になった方は、このように思ったのではないでしょうか。

SBIいきいき少額短期保険株式会社が全国の50歳以上の男女1019人を対象に行った“終活・葬儀”に関するアンケート調査(2023年12月公表)の結果によると、終活の必要性を感じている人が8割に対して、実際に取り組んでいる人は4人に1人という結果となりました。

現役時代の早い段階で、終活を意識することは、のちに訪れる年金生活や、病気や要介護状態になった時どうするかを考えるための大切な準備。お金と暮らしのプランに見通しを立てることにも繋がるでしょう。

今回は、年金暮らし末期がんの父の看取りを経験した聡子さん(仮名・48歳)が、40歳~50歳代のみなさんにぜひ取り組んでもらいたい「終活」を3つ紹介します。

1. 年金暮らし末期がんの父の看取りを経験して感じた「40歳~50歳代」でやっておきたい終活

40歳~50歳代のみなさん、「終活」って意識したことありますか?

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実は私自身も「終活はまだまだ先の話。還暦を過ぎたら始めればよい」と思っていました。

しかし、年金暮らし末期がんの父の看護・看取りを経て、私の終活に対する意識は180度変わりました。

終活を全くといっていいほど行わなかった父の闘病・最期の姿を通して、終活とは「自分が大切にしているものは何か」を考える前向きな活動だということに気が付いたからです。

2. 【終活1】最期を「どこで過ごしたいか」考える

みなさんに行っていただきたい終活の1つ目は、最期をどこで過ごしたいか考えること。

父は末期がんと診断され、手の施しようがない状態になった際、家族の意向で住宅型有料老人ホームに入所しました。

この老人ホームへの入所は、父に意向を聞くことなく、自宅での看護・介護に限界を感じていた家族が決めたものでした。

もちろん家族全員で、父が少しでも安楽に過ごせるようにと考え、施設を見学した際のスタッフさんの対応も申し分ないことを確認した上で決めたことです。

しかし自分の意思とは関係なく、最期を過ごすホームが決まり、そのホームに連れて行かれ、ベッドに寝かせられた父の姿を見ていた時、「父はどうしたかったのだろうか?」と、ふと思ったのです。

最期を過ごす場所の選択肢は、自宅・病院・ホスピス・老人ホームなど様々なものがあります。また、老人ホームと一口に言っても、どんな立地がよいのか、部屋は何人部屋がよいのかなど選ぶ基準は色々とあります。

父の入所後、私は「自分は最期の時、誰と一緒にどこに住みたいのか」と考えるようになりました。

その結果、私にとって老人ホームに1人で入所するというのは幸せではないこと、家族と当たり前の日常を過ごす中で少しずつ年齢を重ねていき、やがて最期を迎えたいという自分の想いに気付きました。

そして、この想いを夫にも伝え、子どもが独立したら現在の持家を売却し、子供の家からそう遠くない場所にシニア向けの分譲マンションを購入して、夫婦で住もうというプランを立てました。

今ではこのプランを実現するために、毎月の貯蓄計画・貯蓄方法も見直し、前向きに準備を始めています。