3. 貯蓄2000万円で老後生活はしていけるのか
前章のシミュレーションはあくまで単純計算によるものですが、年金20万円が「額面か」「手取りか」によって、貯蓄2000万円で安泰な老後生活が送れるかが変わることがわかりました。
しかし、年金額が20万円より少なくても貯蓄2000万円で十分に生活していくこともできます。
たとえば、年金の手取り収入が17万円だったとしても、1ヶ月の消費支出が20万円だった場合、1年間の赤字は36万円となります。
つまり、年金の手取り収入が少なくても、その分生活費を抑えた生活をすれば、65歳以降も働かずに年金と貯蓄だけで生活していける可能性が高まります。
また、収入が多く生活支出が極端に少ない場合は、生きている間に貯蓄が使いきれないといったケースも発生するかもしれません。
そのため、今一度ご自身が受け取れる年金額を確認して、老後生活をシミュレーションをしておけると良いでしょう。
4. 老後に必要な貯蓄額は人によって異なる
本記事では、老後の家計収支から、夫婦2人「貯蓄2000万円・年金20万円」の場合の、老後のシミュレーションをしていきました。
一見、夫婦2人で「貯蓄2000万円」もあり、毎月年金として20万円を受け取れるのであれば、老後は悠々自適な生活が送れると思ってしまいますが、老後の平均的な消費支出から想定すると、意外と生活が厳しくなる可能性もあります。
年金20万円と聞くと、全て受け取れると思ってしまいますが、実際にはそこから税金・社会保険料が天引きされた状態で手元にくるため、「額面」ではなく「手取り収入」で老後のシミュレーションをすることをおすすめします。
ご自身が将来、年金をどのくらい受給できるかしりたい場合は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認し、掲載されている額面から「手取り収入」を想定してみましょう。
参考資料
和田 直子