3. 【業種別】生涯年収ランキング

では最後に、業種別の生涯年収ランキングを見ていきましょう。

dodaの「平均年収ランキング(生涯年収・生涯賃金)【最新版】」における、業種別の生涯年収ランキングは下記の通りです。

10業種分類で最も生涯年収が高かったのは「総合商社」で2億8840万円でした。

次いで生涯年収が高かったのは、「IT/通信」で2億6146万円、「金融」で2億5784万円と続き、10業種すべて前年のランキングと変動はありませんでした。

男女別においては、最も生涯年収が高い業種は、男性は「総合商社」でしたが、女性は「IT/通信」が1位となり、男性と女性で生涯年収の高い業種が異なる結果となっています。

エリア別・職種別と同様に、業種においても生涯年収は2022年よりも250万円以上アップしており、特に2位の「IT/通信」が前回よりも816万円増加しています。

近年では、ネットワークを介した事業展開が増えてきていることや、AIの進歩が急速に進んでいることから、収益の上昇につながったのではないかとうかがえます。

なお、業種別においても、生涯年収が一番高い職種と一番低い職種で1億円ほどの差が生じており、職種別と同様に業種による賃金格差は大きいことがみてとれます。

4. 生涯年収が老後生活にも大きな影響を与える

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本記事では、エリア別・職種別・業種別に分けて、生涯賃金ランキングを紹介していきました。

エリアや職種、業種によって、生涯年収が大きく変わり、特に職種別においては1億円以上もの差が生じていることがわかりました。

会社員が加入する日本の老齢年金である「厚生年金」は、現役時代の加入期間や年収によって、将来受け取れる年金月額が変動するため、年収が高いほど老後の収入が増加します。

「老後の貯蓄ができていないから年収アップのために転職しよう」と考えている人は、実は転職して年収が上がることで、将来受け取れる収入の増加にもつなげられる可能性もあるため、貯蓄・年金2つを視野に転職を検討すると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子