物価高もあり、今の生活が苦しい方も多くいます。

現在の収入が少ない方もいますが、年金生活となるとさらに苦しいと感じる方もいるでしょう。

このような場合、年金生活者支援給付金を受給できる方もいますので、該当する方は請求をしてみてください。

「親の年金が少ない場合は援助をしなければいけない」と苦しむ現役世代の方も、制度を知っておけると良いでしょう。

1. 年金生活者支援給付金とは?

公的年金等の受給金額が少ない方は、公的年金以外の収入が一定額以下の方に、生活支援のため、年金に上乗せして支給されるものとなっています。

以下に、受給できる方を記載していますが、次のいずれかの要件に該当するときは、給付金が受け取れません。

  • 日本に住所がないとき
  • 年金が全額支給停止のとき
  • 刑事施設等に拘禁されているとき

2. どんな方が年金生活者支援給付金を受給できるのか

年金生活者支援給付金を受給できる人の要件は、受給する年金の種類によって異なります。

2.1 老齢基礎年金を受給している方の場合

老齢基礎年金を受給している方は、以下の全ての要件を満たす場合、老齢年金生活者支援給付金が支給されます。

  • 65際以上の老齢基礎年金の受給者
  • 市町村民税非課税世帯
  • 前年の公的年金の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下
    (77万8900円を超え87万8900円以下の方は、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。)
    ※老齢基礎年金以外に、障害年金や遺族年金等を受給している方、それらの年金は非課税のため収入には含まれません。

2.2 老齢基礎年金を受給している方の支給額

月額受給できる金額の5140円を基準に、保険料の納付した期間や免除した期間によって計算されます。

  • 保険料納付済期間に基づく額(月額)
    = 5140円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
  • 保険料免除期間に基づく額(月額)
    = A × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月

老齢年金生活者支援給付金の支給により、所得の逆転現象が生じないように、前年の年金収入とその他の所得額の合計で支給の調整があります。

77万8900円を超え87万8900円以下の方は、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。

保険料免除期間に乗ずる金額 Aの金額1/3

出所:筆者作成

 

2.3 老齢基礎年金を受給している方の支給額の例

Bさんは1956年4月2日以後生まれの方で、国民年金を20歳から60歳まで、漏れなく払っており、免除の期間もありませんでした。この場合、

  • 5140円 × 保険料納付済期間480月 / 被保険者月数480月 = 5140円
  • 1万1041円 × 保険料免除期間0月 / 被保険者月数480月 =   0円

合計 5140円+0円=5140円となり、この金額が年金に上乗せされ受給することができます。

※被保険者月数については、国民年金制度ができたのが1961年4月からのため、生年月日により加入できる年数が違います。1941年4月1日以前に生まれた方は、480月よりも短くなります。

2.4 障害基礎年金を受給している方の場合

障害基礎年金を受給している方は、以下の全ての要件を満たす場合、障害年金生活者支援給付金が支給されます。

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下(障害年金は所得に含まれず、扶養親族等の数により増額があります)

2.5 障害基礎年金を受給している方の支給額

老齢基礎年金とは違い、障害等級により異なります。

  • 障害等級2級 月額5140円
  • 障害等級1級 月額6425円

2.6 遺族基礎年金を受給している方の場合

遺族基礎年金を受給している方は、以下の全ての要件を満たす場合、遺族年金生活者支援給付金が支給されます。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下(遺族年金は所得に含まれず、扶養親族等の数により増額があります)

2.7 遺族基礎年金を受給している方の支給額

  • 月額5140円

2人以上の子がいる遺族基礎年金を受給している場合は、5140円を子の数で割った金額をそれぞれで受け取ります(遺族年金を受給している場合の子は18歳になった年度末までの子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態の方)。

2.8 遺族基礎年金を受給している方の支給額の例

子が2人で遺族基礎年金を受給している場合の1人あたりの金額は、

5140円÷2 = 2570円

※お子さんの数によっては、円未満の金額になった場合、50銭以上は繰上げ、50銭以下は切り捨てます。

3. 年金生活者支援給付金支給金の手続き方法

年金生活者支援給付金支給金の手続きは年金事務所で行いますが、市町村から所得情報の提供を受けるため、添付書類は不要です。

支給要件を満たせば翌年以降の手続きは不要となりますが、支給要件を満たさない場合、年金生活者支援給付金は支給されず「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送られます。

給付金額については、公的年金等と同じように毎年度、改定されることがあり、給付額が改定されたときには「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送られます。

4. 年金生活者支援給付金支給金のまとめ

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palagorn damuk/shutterstock.com

記事タイトルにあるお母さまの場合、市町村民税非課税世帯で、老齢基礎年金のみの受給とのことです。

過去の納付状況を調べたところ、国民年金保険料は460月を納付しており、月額で6万4000円の場合、年額で76万8000円となります。

被保険者期間480月、全額免除期間 0月

  • 5140円 × 保険料納付済期間460月 / 被保険者月数480月 = 4925.83円→4926 円
  • 1万1041円 × 保険料免除期間0月 / 被保険者月数480月 =   0円

合計 4926円+0円=4926円となり、月額で6万4000円に4926円の年金生活者支援給付金支給金を上乗せで受け取ることができます。

金額はそれほど多いとは言えませんが、受給できるだけでも助かります。

該当する方は、早めに手続きをしましょう。

参考資料