2. 生活保護受給中の義務とは?
生活保護を支給された人は、さまざまな義務が課されます。
具体的な項目は、以下の4つです。
- 譲渡禁止
- 生活上の義務
- 指示等に従う義務
- 届け出の義務
それぞれの義務について確認しましょう。
2.1 譲渡禁止
譲渡禁止は、生活保護を受ける権利を、他人に譲り渡せません。
個人の受給権を他人に譲渡しないようにしましょう。
2.2 生活上の義務
生活上の義務は、能力に応じて仕事に励んで、健康の増進や節約を図ることが義務付けられています。
具体的には、以下の項目です。
- 生活の無駄をなくして向上に努める
- 用途を指定した保護費は確実にその用途で使う
- 働ける人は仕事を探して働く
- 病気やけがで働けない人は医者の指示に従って治療に専念する
- 自動車の所有や借りて使用できない
- 生活保護を受給中に借金はできない
働ける人は仕事を見つけて探す以外にも、節約や健康の増進など、日常の生活面で守らなければいけないルールがあります。
2.3 指示等に従う義務
指示に従う義務は、自分自身の力で生活できるように努力して生活を安定させる義務があります。
また、福祉事務所からの指示や指導を受ける場合は従わないといけません。
厚生労働省が2023年3月31日に発表した「令和3年度被保険者調査」では、行政の指導や指示に従わず生活保護の受給を打ち切られた案件は105件でした。
適切な理由なく指示や指導に従わない場合は、生活保護を受けられない可能性があるので注意しましょう。
2.4 届出の義務
届出の義務は、生活に関する変化があった場合に福祉事務所に届け出する義務があります。
実際に届け出なければいけないものは、以下の点が挙げられます。
- 収入に関する届出:収入の増減、臨時収入、収入申告書の届出
- 生活に関する届出:就職や転職、入院先や住所の変更、資産申告書の届出
勤労に励む以外にも、収入の増減や資産申告書などの報告が必要になります。
では、生活保護における受給者割合について確認しましょう。