2. 【実体験】認知症介護で発生した「想定外の出費」3例
ここからは、認知症の母を介護中の筆者が今年経験した「想定外の出費」の中でも、インパクトが高かった3つについてお話ししましょう。
2.1 想定外の出費 その1「補聴器の買い替え」
今年に入ってから、5万円ほどする補聴器を立て続けに3度紛失した母。
初回購入時は自治体の「高齢者補聴器購入費助成制度」を使いましたが、利用できるのは一人1回限り。さいしょの紛失時はメーカーの紛失保証のおかげで助かりましたが、3度目はすべて自腹で支払うことに。
元来きちょうめんな性格だったので、これは想定外の出費でした。
主治医から「補聴器を買うときは紛失保証をつけたほうがいいよ!」と言われてはいましたが、「ああ、このことだったのか」と合点がいきます。
また加齢に伴う聴力の低下は、特に認知症の人にとっては要注意。
「家族との話題に入っていけない」「自分の悪口を言われているのではないか」という気持ちから、孤独感や疑心暗鬼を募らせ、気分の落ち込みや暴言に繋がってしまうことも。
筆者の経験上、補聴器のような取り扱いに注意を要する道具は、できれば認知面が低下する前に慣れておいてもらえると理想的かもしれません。スマートフォンやタブレット端末などもそうですね!
シニアの親御さんには、元気なうちに「使えるデバイスを少しでも増やして慣れておいてもらう」ことを強くお勧めします。