3.2 無理のない収支改善
老後資産を形成するうえで不足があるなら、まずは家計改善を図りましょう。
まず、家計簿を付けて使途不明金をなくしたうえで、削れる項目がないか考えてみてください。
削るときには、まず光熱費や通信費、保険料や月次での契約など固定費に着目しましょう。
不必要に高いプランを契約していたり、同程度のサービスを安く契約できたりと、負担を掛けずに節約できるケースが少なくありません。
食費や交際費などは、極端に過剰であれば見直すべきですが、生活の質を下げる節約は持続しにくいので、固定費を削減したのちに着手しましょう。
3.3 資産運用の実行
2024年には新NISAが始まります。このタイミングで資産運用を検討してみるのもひとつでしょう。
投資を行うと、より少ない積立額で潤沢な資産を形成できます。
たとえば、15年間で1500万円の資産を形成するとします。
貯蓄のみの場合(利回り0.1%とする)、月々およそ8万3000円ずつ積み立てなければなりません。
一方で、利回り4%での積立投資なら、月々の必要な積立金額は6万1000円まで下がります。
ただし資産運用にはリスクがつきものなので、必ず自分自身のリスク許容度と照らし合わせた検討が必要です。
4. まとめにかえて
就職氷河期・団塊ジュニアなどと言われる世代が含まれる「40歳代」「50歳代」の平均貯蓄額を見ていきました。
それぞれの状況は個々によって異なるものですが、平均額や中央値から見えるものもあるでしょう。
今回紹介した3つの対策を参考に、老後資産の形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
太田 彩子