12月にはボーナスが支給される企業が多いですが、正規と非正規の格差は依然大きいものです。
中でも就職氷河期・団塊ジュニアと呼ばれる世代では非正規雇用が多いとされ、なかなか貯蓄が進まないという方も。
今回の記事では、就職氷河期・団塊ジュニアにあたる50歳代や40歳代の貯蓄状況をまとめました。
また、後半では老後に向けた資産形成のポイントも解説しています。
統計も参考にしながら自身の置かれた状況を整理して、必要な対策を立てましょう。
1. 50歳代の「平均貯蓄額」
50歳代の貯蓄額を整理すると、【図表1】の通りです。
【図表1】1/6
出所:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の各調査結果を参考に筆者作成
どちらも平均値と中央値に開きがあるのが特徴です。
貯蓄額の場合、富裕層など一部の世帯が平均値を上振れさせるため、中央値の方がより一般的な水準を表していると考えられます。
貯蓄額が中央値付近に留まっている世帯は、65歳に向けて資産形成の計画を立てましょう。
金融資産保有額の分布は【図表2】【図表3】の通り。
まずは、二人以上世帯です。
1.1 二人以上世帯「50歳代」の貯蓄額
約18%の世帯が2000万円以上の貯蓄を形成している一方で、金融資産非保有世帯の割合がおよそ24%います。
平均並の1253万円の貯蓄を形成できていれば、65歳までに老後資産2000万円を形成する余地がありますが、世帯によって置かれた状況には大きな差があります。
1.2 単身世帯「50歳代」の貯蓄額
続いて、単身世帯はこちらです。
単身世帯の場合、金融資産非保有の世帯割合が約40%に達しています。
100万円未満も含めると約半数に達します。
単身世帯は二人以上世帯より月々の支出は少ないものの、老後には年金による収入も少なくなるため油断は禁物です。
早めに資産形成の対策を進める必要があるでしょう。
2. 40歳代の「平均貯蓄額」
さらに40歳代の貯蓄額もまとめました。
【図表4】4/6
出所:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の各調査結果を参考に筆者作成
こちらも平均値と中央値には大きな開きがあります。
平均値付近の資産を形成できていれば、老後に向けた準備はまず順調といえるでしょう。
ただし、自分の世帯の置かれた状況を踏まえて、老後に向けた計画を立てていくことが大切です。
続いて、金融資産保有額の分布をみていきましょう。
まずは、二人以上世帯です。
2.1 二人以上世帯「40歳代」の貯蓄額
2000万円の貯蓄を達成している層は、10%程度にとどまります。
また、金融資産非保有世帯は26%程度います。
まだ老後までは時間があるので、たとえ金融資産非保有でも、ここから充分な資産を形成することは可能です。
2.2 単身世帯「40歳代」の貯蓄額
こちらもすでに2000万円を築いている世帯の割合は10%ほどです。
一方で、世帯金融資産非保有者は35.8%にのぼります。
3. 老後資産の形成に向けて
今回は就職氷河期・団塊ジュニア世帯の貯蓄の平均値・中央値を紹介しました。
各年代の平均値付近に到達していれば、資産形成は順調といえるでしょう。
一方で、現時点で中央値付近に留まる、もしくは金融資産非保有である場合には、次の対策を進めてください。
3.1 ライフプランと収支計画を立てる
今現在から老後までのライフプランと収支計画を立てるのが第一です。
40歳代~50歳代は子育て・子供独立、定年による引退とさまざまなライフイベントが想定される時期です。
それぞれの局面によって支出状況も大きく変化します。
悪いことばかりではなく、たとえばいま貯蓄が少ない世帯も、その原因が子育ての費用や学費であれば、子供が独立したタイミングで大幅な収支改善が見込まれます。
また、勤続年数が長いサラリーマンであれば、退職金によるまとまった収入も期待できるでしょう。
今後のライフプランと収支計画を踏まえて、65歳2000万円を目指す上での過不足を明らかにしておきましょう。
3.2 無理のない収支改善
老後資産を形成するうえで不足があるなら、まずは家計改善を図りましょう。
まず、家計簿を付けて使途不明金をなくしたうえで、削れる項目がないか考えてみてください。
削るときには、まず光熱費や通信費、保険料や月次での契約など固定費に着目しましょう。
不必要に高いプランを契約していたり、同程度のサービスを安く契約できたりと、負担を掛けずに節約できるケースが少なくありません。
食費や交際費などは、極端に過剰であれば見直すべきですが、生活の質を下げる節約は持続しにくいので、固定費を削減したのちに着手しましょう。
3.3 資産運用の実行
2024年には新NISAが始まります。このタイミングで資産運用を検討してみるのもひとつでしょう。
投資を行うと、より少ない積立額で潤沢な資産を形成できます。
たとえば、15年間で1500万円の資産を形成するとします。
貯蓄のみの場合(利回り0.1%とする)、月々およそ8万3000円ずつ積み立てなければなりません。
一方で、利回り4%での積立投資なら、月々の必要な積立金額は6万1000円まで下がります。
ただし資産運用にはリスクがつきものなので、必ず自分自身のリスク許容度と照らし合わせた検討が必要です。
4. まとめにかえて
就職氷河期・団塊ジュニアなどと言われる世代が含まれる「40歳代」「50歳代」の平均貯蓄額を見ていきました。
それぞれの状況は個々によって異なるものですが、平均額や中央値から見えるものもあるでしょう。
今回紹介した3つの対策を参考に、老後資産の形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
太田 彩子