2. 70歳代の世帯の平均貯蓄額は2318万円
令和5年版高齢社会白書では、年代ごとの二人以上世帯の貯蓄額も集計しています。
これによると、70歳代以上の二人以上世帯の平均貯蓄額は2318万円です。
同じ統計によると、60歳代の平均は2537万円で、60歳代から70歳代以上にかけて若干の貯蓄の減少が見られますが、大幅な資産の取り崩しをせずに70歳代に差し掛かっている世帯が多いと推測されます。
3. 平均に到達していれば家計の過度な心配は不要
続いて、総務省統計局「2022年(令和4年) 家計の概要」をもとに、老後の生活費を見てみましょう。
65歳以上の二人世帯の平均的な家計の収支は【図表3】の通りです。
仮に70歳の方が90歳まで上記の支出を継続すると仮定すると、累計で1298万円不足する計算となります。
70歳代以上の平均並の資産を保有していれば、介護費用などによる支出の上振れを加味しても、確かに過度に家計を心配する必要はなさそうです。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)