70歳代の高齢者のおよそ7割は「経済的な心配がない」状態で暮らしています。

実際に貯蓄額と平均的な生活費をみてみると、充分な資産を築いている方が多い状況です。

2023年12月5日に公表された最新の「2020年基準消費者物価指数 東京都区部 2023年(令和5年)11月分(中旬速報値)」によると、総合指数は前年同月比で2.6%の上昇となりました。

このような物価高の現状においても、老後をゆったり過ごすにはどれほどの資産が必要なのでしょうか。

今回の記事では老後生活の経済面での意識や収支状況などをまとめました。

また後半では、さらに高齢者が生活にゆとりを持たせるためのポイントも紹介します。

1. 大半の高齢者は「経済的な心配がない」状態で暮らす

令和5年版高齢社会白書によると、75歳以上の12.5%が「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」、57.8%が「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と回答しています。

双方をあわせると約7割は家計に特段の心配がないという結果です(【図表1】参照)。

65歳~74歳や高齢者全体で見ても傾向は大きく変わらず、大半の高齢者は家計を心配せずに生活しているといえます。

【図表1】65歳以上の人の経済的な暮らし向き(択一回答)

出所:内閣府「令和5年版高齢社会白書」