2026年の衆議院選挙は1月27日に公示され、2月8日に投開票が行われます。各党の公約を見ると、消費税や社会保険料など「税と社会保障」をめぐる政策が共通の争点として掲げられています。

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税と社会保障に関する各党の公約

出所:各党の公約をもとにLIMO編集部作成

物価高騰が家計に影響を及ぼすなか、負担の軽減や支援のあり方に注目が集まっています。こうした動きは、日々の暮らしを支える制度の一つである年金や給付金とも無関係ではありません。来月2月に支給される「年金生活者支援給付金」について、制度の概要と支給のポイントをあらためて整理します。

1. 年金生活者支援給付金

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年金生活者支援給付金制度について

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金で、以下の3種類があります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、2カ月に一度、受け取ることができるものです。

2. 《障害・遺族》年金生活者支援給付金、「年金等の非課税収入を除いた前年所得に注目」

3種類の年金生活者支援給付金には、それぞれの支給要件が設定されています。3種類共通の基準は、受給者本人の「前年の所得」です。

老齢年金生活者支援給付金には、これに加えいくつかの要件が加わります。

2.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給要件

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

2.2 「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の対象者

  • それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く

それぞれの給付金において、上記の要件をすべて満たす場合、年金生活者支援給付金を受け取ることができます。

3. 年金生活者支援給付金、2026年度プラス3.2%増額の給付額

2026年度の年金生活者支援給付金の給付額は、前年の物価変動率にもとづき、+3.2%の増額となりました。

3.1 【2026年度】年金生活者支援給付金の給付額

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年金生活者支援給付金の給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに「保険料納付済期間や免除期間」に応じて、実際の支給額が計算されます。

4. 年金生活者支援給付金、手続き方法「うすだいだい色の封筒」届いた人はどうする?

年金生活者支援給付金の支給対象と判定された人には、日本年金機構から請求書が届きます。

年金受給状況によって、書類形式や郵送タイミングが異なります。ここでは、3つのケースに分けて、送付時の封筒や、手続き方法を紹介しましょう。

4.1 【ケース1】これから老齢年金を受け取り始める人(緑の封筒)

これから老齢年金を受け取り始める人には、65歳になる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して「年金生活者支援給付金請求書」が送付されます。

必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書とともに年金事務所に提出しましょう。

4.2 【ケース2】すでに年金を受給している人の場合(うす緑の封筒)

すでに基礎年金を受給中で、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる方には、2025年9月1日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。

必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで切手を貼ってポストに投函しましょう。

※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。

4.3 【ケース3】老齢基礎年金を繰上げ受給中の場合(うすだいだい色の封筒)

老齢基礎年金を繰上げ受給中の方のうち、年金生活者支援給付金の受給権が発生すると見込まれる場合、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで切手を貼ってポストに投函しましょう。

※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。

一度申請すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続きは基本的に不要です。また、所得が増えるなどして支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止されます。

なお、2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた人は、「電子申請による提出」ができるようになりました。

電子申請により提出した場合、郵送による提出は不要です。

5. 衆院選を前に考える「税と社会保障」と年金生活者支援給付金

2026年の衆議院選挙では、税や社会保障の負担と支援のあり方が大きな論点となっています。各党の公約が示す方向性はさまざまですが、いずれも私たちの暮らしに直結するテーマです。

そうした中、来月2月に支給される年金生活者支援給付金は、現在の制度として生活を下支えする重要な仕組みの一つといえます。選挙の動きとあわせて、足元で受け取れる支援制度についても、あらためて確認しておきたいところです。

参考資料

橋本 優理