3. 二人以上世帯の貯蓄が多いからと言って油断は禁物
二人以上世帯の方が、単身世帯よりも貯蓄額は多い傾向にあります。
60歳代3000万円の達成割合、貯蓄の平均値・中央値いずれで見ても明らかです。
一方で、総務省統計局「2022年(令和4年)家計の概要」によると、65歳以上の二人以上世帯と単身世帯の月次の収支状況は【図表5】通りとなります。
仮に90歳まで25年間にわたり老後生活を送るとなると、二人以上世帯では不足額の累計が1622万円、単身世帯で988万円となる試算です。
二人以上世帯・単身世帯とも、平均値を達成していれば月々の家計の不足額は貯蓄で補える計算となります。
ただし、二人世帯の方が余裕が少なく、たとえば急病や介護費用の増大などの要因まで加味すると資産が不足するリスクが高くなるでしょう。
4. まとめにかえて
平均並みの資産を形成したからと言って、油断は禁物です。
また、中央値付近の場合には二人以上世帯・単身世帯共に資産が不足する恐れがあります。
資産形成の加速や月々の収支改善、老後も働き続けるなど何らかの対策が必要です。
参考資料
太田 彩子