2025年度の最低賃金は大きく引き上げられ、47都道府県すべてで1000円を上回りました。物価高に対抗するための策として、賃上げは重要な役割を担います。
国内にはさまざまな年収層の人がいますが、年収1000万円あたりになると「富裕層」に分類されるケースが多くなります。
年収1000万円超の人は、国内にどれくらいいるのでしょうか。また、平均給与は業種ごとでどのように変わるのでしょうか。
この記事では、年収1000万円超の人の割合や、平均給与の高い・低い業種について解説します。
1. 年収1000万円超の人はどれくらいいるの?
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに、年収1000万円超の人の割合を見てみましょう。
1000万円超1500万円以下
- 男性:205万9000人(7.0%)
- 女性:24万7000人(1.1%)
- 計:230万6000人(4.5%)
1500万円超2000万円以下
- 男性:50万9000人(1.7%)
- 女性:6万7000人(0.3%)
- 計:57万6000人(1.1%)
2000万円超2500万円以下
- 男性:13万1000人(0.4%)
- 女性:1万6000人(0.1%)
- 計:14万7000人(0.3%)
2500万円超
- 男性:16万1000人(0.6%)
- 女性:1万3000人(0.1%)
- 計:17万4000人(0.3%)
合計
- 男性:286万人(9.7%)
- 女性:34万3000人(1.6%)
- 計:320万3000人(6.2%)
年収1000万円超の収入を得ている人は、全体の6.2%でした。前回調査が全体の5.5%だったため、0.7%増加しています。
一方、年収2000万円超までに絞ると、男女合計で0.6%となります。1000万円台と比べてさらに少なく、限られた人のみが受け取れる収入といえるでしょう。
男女別に見てみると、男性は9.7%と全体の1割に迫る数字になっていますが、女性は1.6%と1%台に留まります。ライフイベントの関係上、キャリアの歩み方が異なるのが、数字に差が出ている要因といえるでしょう。
次章では、平均給与が高い業種・低い業種を見ていきます。
2. 平均給与が高い業種・低い業種
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに、平均給与が高い業種と低い業種を上位5つずつ見てみましょう。
平均給与が高い業種
- 電気・ガス・熱供給・水道業:832万円
- 金融・保険業:702万円
- 情報通信業:660万円
- 製造業:568万円
- 建設業:565万円
平均給与が低い業種
- 宿泊業・飲食サービス業:279万円
- 農林水産・鉱業:348万円
- サービス業:389万円
- 卸売業・小売業:410万円
- 医療・福祉:429万円
上記の業種は500万円〜800万円台となっています。電気・ガス・熱供給・水道業は唯一の800万円台と2位に100万円以上の差をつけており、平均が高くなっています。
一方、平均給与が低い業種は200万円〜400万円台になっています。飲食業や農業、サービス業と比較的身近な業種がランクインしています。
宿泊業・サービス業と電気・ガス・熱供給・水道業とでは553万円もの差があり、業種間で平均給与には格差がある状況です。
次章では、日本の平均給与と賃上げの展望について解説します。
3. 日本の平均給与と賃上げのこれから
日本全体の平均給与は、478万円です。前年の460万円から18万円、割合にして3.9%伸びており、賃上げの効果が現れているといえます。
一方、賃上げの恩恵は、実際の日常生活にまでは波及していません。総務省が公表した2025年9月分の消費者物価指数を見てみると、2020年を100として112.1となっています。前年同月比で2.7%、前月比で0.1%と上昇を続けています。
また、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の8月速報によれば、名目賃金から物価変動の影響を差し引いた実質賃金は2020年を100として82.7と、前年同月比から1.4%減少しています。物価の上昇により賃上げの効果が薄れてしまっている状況です。
また、税金や社会保険料の負担上昇も、賃上げ効果を実感しにくくなっている要因です。社会保障給付費は、ほぼ毎年のように増加を続けています。
現役世代の保険料負担を抑えながら、充実した社会保障を実現するための抜本的な改革が求められます。
4. まとめ
年収1000万円超の人は全体の6.2%と、決して多くはありません。しかし、昨年から0.7%増加していることから、賃上げの効果自体は一定数あるようです。
一方で、業種ごとの給与差はまだ開きがあり、賃上げも生活実感がよくなるレベルまで波及してきているとは言い難い状況です。
物価上昇を上回る賃金を実現するためにも、税金や社会保険料の負担をどのように考えるかが、今後のポイントとなるでしょう。
参考資料
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)9月分」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年8月分結果速報」
- 厚生労働省「給付と負担について」
石上 ユウキ