3. 日本の平均給与と賃上げのこれから
日本全体の平均給与は、478万円です。前年の460万円から18万円、割合にして3.9%伸びており、賃上げの効果が現れているといえます。
一方、賃上げの恩恵は、実際の日常生活にまでは波及していません。総務省が公表した2025年9月分の消費者物価指数を見てみると、2020年を100として112.1となっています。前年同月比で2.7%、前月比で0.1%と上昇を続けています。
また、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の8月速報によれば、名目賃金から物価変動の影響を差し引いた実質賃金は2020年を100として82.7と、前年同月比から1.4%減少しています。物価の上昇により賃上げの効果が薄れてしまっている状況です。
また、税金や社会保険料の負担上昇も、賃上げ効果を実感しにくくなっている要因です。社会保障給付費は、ほぼ毎年のように増加を続けています。
現役世代の保険料負担を抑えながら、充実した社会保障を実現するための抜本的な改革が求められます。
