3.1 貯蓄がなくても老後は年金だけで生活していける?
半数以上の人が、老後までに貯蓄2000万円を貯められていないことがわかりましたが、果たして貯蓄がなくても老後は生活していけるのでしょうか。
老後の主な収入源は「年金」となるため、日常の支出を年金だけで補えれば、貯蓄がなくても生活していけるでしょう。
厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(※国民年金の年金月額を含む)と国民年金の平均受給額は下記の結果となりました。
- 厚生年金の平均受給額:14万3965円
- 国民年金の平均受給額:5万6368円
厚生年金の場合は、支出を抑えた生活を送ればギリギリ年金だけで生活していけそうですが、国民年金の場合は年金だけで生活していくハードルは高いとうかがえます。
実際に、厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は、全体の44%と半数にも満たない結果となっています。
半数以上の高齢者世帯は年金だけでは生活できていないことから、安心した老後生活を送るためには、ある程度の貯蓄は必要になりそうです。
4. 今のうちから老後の資産形成をしておこう
本記事では、実際の調査データをもとに「物価上昇の影響による消費者動向と投資意識」について紹介していきました。
WeCapital株式会社の調査では、近年続く物価上昇を受けて、8割以上の人が投資への関心が高まったことが明らかになっており、その理由の多くが「老後資金」のためと回答しています。
上記のことから、多くの人が将来の老後生活に不安感を感じており、今のうちから準備をしておきたいと考えていることがわかります。
老後に備えた資産形成として投資を検討することは、有力な選択肢の1つと言えます。
近年では、NISAやiDeCoといった、投資初心者の方でも始めやすい制度も多いため、そのような制度を活用しながら老後の備えを今のうちからしておけると良いでしょう。
参考資料
- 株式会社帝国データバンク「来年の食品値上げ 1596品目 23年比8割減ペース 値上げラッシュ「当面収束」」
- WeCapital株式会社「「物価上昇の影響による消費者動向と投資意識」に関する調査」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ報告書 高齢社会における資産形成・管理」
平田 依恵