2.2 年収1000万円超えが多い都道府県
最後に、世帯年収1000万円超えが多い都道府県をみてみましょう(【図表7】参照)。
世帯数を表しているので、必然的に人口が多い都道府県が上位にきます。
「令和2年国勢調査」によると、人口が多い順に、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県となります。
上位7都道府県の顔ぶれは同じでも、人口では4位の愛知県がここでは3位につけ、人口で3位の大阪府がここでは5位になっています。
東京都が圧倒的で、2000万円以上の世帯数では2位の神奈川県の3倍近い数になっています。
世帯年収1000万円以上の世帯は全国で620万6700世帯ありますが、そのうちの約2割は東京都が占めます。
世帯年収2000万円以上(全国で65万1000世帯)になると、約3割が東京都となります。
富裕層は大都市に集中していることがわかります。
3. まとめにかえて
日本の平均給与が458万円、世帯年収の平均が545万7000円である中では、年収1000万円は高所得といえるでしょう。
しかし、年収1000万円は手取りにすると720万円~780万円になります。
税金や社会保険料はしっかり徴収されるのに、給付金はカットされるので、年収1000万円は最も損なポジションともいわれます。
それでも年収1000万円超えは少数派です。
個人の給与で年収1000万円超えている人は5.4%、世帯年収1000万円超えの世帯は12.6%です。
それ故、年収の大台として目指したくなりますが、思ったほど満足度が高くないのが年収1000万円かもしれません。
ひと昔前の年収1000万円のイメージは、現在の年収1500万円~2000万円ほどになっているのではないでしょうか。
参考資料
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ各種世帯の所得等の状況」
- 国立国会図書館「平成 26 年度税制改正案の概要」
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 全国編 世帯単位で見た統計表 表番号230」
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 地域編 世帯単位で見た統計表 表番号138」
- 総務省統計局「令和2年国勢調査/調査の結果」
石倉 博子