1. 日経平均は3日連続で最高値を更新

2026年2月27日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比96円88銭高の5万8850円27銭でした。3日連続で終値ベースでの最高値更新です。米株式市場でエヌビディアなど半導体株が下落している一方で、日本株の関連銘柄の下げは限定的です。むしろ、衆院選での自民党大勝を受けた高市早苗政権の政策推進力への期待感が高まっていることに加え、日銀の早期利上げ観測が後退したことから海外投資家による日本株買いが進みました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。地政学的なリスクが高まっています。米国とイスラエルが2月28日、イランへの軍事攻撃を行いました。トランプ米大統領は自身のSNSで最高指導者のハメネイ師を米国と殺害したと公表しました。イラン国営放送もハメネイ師の死亡を認め報道しています。ハメネイ師の複数の側近らも死亡したと伝わっています。

米国がイラン攻撃に踏み切った理由は、26日にスイス・ジュネーブで行われた米国とイランの高官による核協議が決裂したためとされますが、いずれにしても、米国とイスラエルはハメネイ師への攻撃へのタイミングをはかっていたと思われます。

ハメネイ師はパーレビ王朝を倒した革命の立役者である故ホメイニ師に師事し2代目の最高指導者となりました。最高指導者は行政、司法、軍事などイランの国政全般の最終決定権を持ちますが、ハメネイ師は自らの権力基盤をさらに強化するとともに、ホメイニ師時代から続く反米路線をさらに強硬に進め、核開発などにも力を入れてきました。

懸念されるのは中東の紛争の悪化です。イランは今回の攻撃への報復として、すでにカタール、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)など、湾岸アラブ諸国の米軍拠点を標的にミサイルで攻撃を行い、各国も迎撃で応戦しています。イスラエル軍はイラン国内への拠点への攻撃を続けており、影響が広がっています。

イランは今回の攻撃への報復として、すでにカタール、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)など、湾岸アラブ諸国の米軍拠点を標的にミサイルで攻撃を行い、各国も迎撃で応戦しています。1/2

日経平均株価

ercanevcimen/shutterstock.com

 

2. 日本経済への影響は

日本経済への影響はどうなるでしょうか。中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰することが考えられ、燃料や電力コストが上昇する可能性があります。攻撃の影響により現在、ホルムズ海峡が閉鎖されています。ホルムズ海峡は世界の原油輸送の大きな部分を占める要衝であり、海運・物流へのコストにも波及します。

為替相場も影響を受けます。教科書的には地政学リスクが高まると投資家は「安全資産」とされる円が買われる傾向があり、円高が進む可能性があるとされます。ただし、最近は「有事でもドル買い」になることもあるため、円安になる可能性もあります。円安は自動車・機械など輸出関連銘柄には追い風ですが、逆に大幅な円高になると業績に影響が出ます。動向を見極めたいところです。

27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比521ドル安の4万8977ドルで引けています。引けは米・イスラエルによるイラン攻撃の前ですが、2日にはさらに大きく下落することが想定されます。日本株も週初からリスクオフの動きとなり、下値圧力が高まると考えられます。先週の最高値更新を受けて、利益確定の売りも出やすいところです。リスク要件が多いことから、国内外の要人の発言や中東での紛争の再燃など、さまざまな情勢の変化によって、相場が大きく振られることがあるので注意したいところです。

教科書的には地政学リスクが高まると投資家は「安全資産」とされる円が買われる傾向があり、円高が進む可能性があるとされます。2/2

日経平均株価

takasu/shutterstock.com

参考資料

下原 一晃