1.1 年収1000万円超えの男女別の割合
先ほどの給与階級別構成比を男女別でみてみましょう(【図表2】参照)。
男性で一番割合が多いのは400万円超~500万円以下の17.7%、女性で一番割合が多いのは100万円超~200万円以下の21.5%となっています。
男女の給与格差が見て取れます。
年収1000万円超えの割合をみると、男性は8.4%となっています。
内訳は、1000万円超~1500万円以下が6.2%、1500万円超~2000万円以下が1.3%、2000万円超~2500万円以下が0.4%、2500万円超が0.5%となっています。
女性で年収1000万円超えの割合は1.5%です。
内訳は、1000万円超~1500万円以下が1.0%、1500万円超~2000万円以下が0.3%、2000万円超~2500万円以下が0.1%、2500万円超が0.1%となっています。
年収1000万円超えの人は、男性がおよそ12人に1人の割合であるのに対し、女性はおよそ67人に1人の割合です。
男女雇用機会均等法が制定されてから38年経ちますが、未だに大きな差があります。
1.2 年収1000万円超えは増えているか
給与所得者の5.4%が年収1000万円超えということがわかりましたが、この割合は増えているのでしょうか。
2014年まで遡って、9年間の推移をみてみましょう(【図表3】参照)。
年収1000万円超えの割合は、2014年は4.5%であったのに対し、2022年には5.4%になり、約1%程度増えています。
これだけをみると喜ばしいように思えますが、9年前と比べて、介護保険料と厚生年金保険料が上がっています。
さらに、給与所得控除が見直され、2014年は適用上限設定が1500万円、適用上限額が245万円であったのが、現在は適用上限設定が850万円、控除上限額195万円にまで下がっています。
つまり、2014年では、年収1000万円超えの人は220万円~245万円の給与所得控除があったのに対し、現在は一律195万円になっています。
年収1000万円超えの人は給与所得控除だけでも5万7500円以上手取りが減っていることになります。
年収1000万円超えの割合が増えても、手取りベースで考えると給料が増えたとは感じにくいと思います。
さらに、消費税率も8%から10%に上がっており、この上物価上昇が追い打ちをかけているので、年収1000万円で叶う生活レベルは年々下がっているといえるでしょう。