住民税は、毎年、1月1日にその市区町村(都道府県)に住所を有している人が負担する税金で、所得に原則10%を掛ける所得割と誰もが一律に負担する均等割がセットになっています。

住民税は、「前年の合計所得が市区町村の条例で定められた額以下」であれば支払いが免除されます。

もし、全ての世帯員が免除された場合は「住民税非課税世帯」といいます。

住民税非課税世帯に対して7万円が給付されることもあり、その年収要件が気になるという方もいるのではないでしょうか。

実は居住地によって、住民税非課税になる要件が異なることがあります。

そこで今回は、「東京23区・以外」の市区町村の条例で定められた額を比較して、住民税非課税世帯が該当する年収ラインに違いがあるのか確認してみましょう。

1. 住民税が非課税になる収入の条件は地域や家族構成で変わる

住民税非課税世帯というのは、世帯全員が、住民税非課税という状態をいいます。

住民税が非課税になる収入の条件は個々の自治体ごとの条例で定められています。そのため、一律にいくら以下であれば「住民税非課税」というものではありません。

条例で定められている非課税限度額は、扶養家族がいる場合、いない場合が関係します。また、生活保護の基準となる「級地区分」によっても異なります。

級地区分は、物価が高い地域の順番で1級地・2級地・3級地と定められています。

今回の記事のテーマである東京の場合、区分は以下のとおりです。

1.1 【1級地-1】

区の存する地域、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、多摩市、稲城市、西東京市

1.2 【1級地-2】

青梅市、武蔵村山市

1.3 【2級地-1】

羽村市、あきる野市、西多摩郡、瑞穂町

1.4 【3級地-1】

西多摩郡、日の出町、檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村

1.5 【3級地-2】

上記以外

なお、次の場合は、どの自治体においても住民税非課税となります。

  • 生活保護法の生活扶助を受けている
  • 未成年者、寡婦、ひとり親、障がい者のいずれかで前年の合計所得が135万円以下(年収にすると204万4000円未満)

次は、「東京23区・以外」の非課税限度額を確認しましょう。

2. 「東京23区・以外」の「級地区分」ごとの非課税限度額は?

級地区分ごとで確認してみましょう。

2.1 【1級地】に該当する品川区の非課税限度額

【品川区の場合】

前年の合計所得金額が区市町村の条例で定める金額以下の方

  • 同一生計配偶者や扶養家族なしの場合:45万円以下(給与収入で100万円以下)
  • 同一生計配偶者や扶養家族ありの場合:(扶養人数+1)×35万+31万円以下

2.2 【2級地】に該当するあきる野市の非課税限度額

  • 同一生計配偶者や扶養家族なしの場合:31万5000円+10万円
  • 同一生計配偶者や扶養家族ありの場合:31万5000円×(同一生計配偶者及び扶養親族の合計数+1)+10万円+18万9000円

2.3 【3級地】に該当する奥多摩町の非課税限度額

  • 同一生計配偶者や扶養親族なしの場合:28万円+10万円
  • 同一生計配偶者や扶養親族ありの場合:28万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+16万8000円+10万円

3. 世帯構成別・住民税非課税世帯の年収の目安

「級地区分」ごとの非課税限度額がわかったところで、次は、所得金額から年収の目安を計算します。

所得金額は「収入から-経費=所得金額」で計算します。

会社員の場合の経費は、年収ごとに「給与所得控除」が決められています。

給与所得控除一覧表(令和2年以降分)5/5

給与所得控除一覧表(令和2年以降分)

出所:国税庁「No.1410 給与所得控除」

3.1 「扶養なし」独身の会社員が住民税非課税世帯になる年収は?

級地区分ごとの独身者の年収は以下のとおりです。

  • 【1級地】100万円(年収)-55万円(給与所得控除額)=45万円(所得金額)
  • 【2級地】96万5000円(年収)-55万円(給与所得控除額)=41万5000円(所得金額)
  • 【3級地】93万円(年収)-55万円(給与所得控除額)=38万円(所得金額)

これより、住民税非課税世帯になる年収は93万円~100万円以下です。

3.2 「扶養あり」夫婦二人暮らしで住民税非課税世帯になる年収は?

妻が専業主婦であれば、収入は0なので、住民税は非課税です。

級地区分ごとの夫の年収は以下のとおりです。

【1級地】35万円×2人+31万円=101万円(所得金額)

156万円(年収)-55万円(給与所得控除額)=101万円(所得金額)

【2級地】31万5000円×2人+10万円+18万9000円=91万9000円(所得金額)

146万9000円(年収)-55万円(給与所得控除額)=91万9000円(所得金額)

【3級地】28万円×2人+16万8000円 +10万円=82万8000円(所得金額)

137万9000円(年収)-55万円(給与所得控除額)=82万9000円(所得金額)

これより、住民税非課税世帯になる年収は137万円~156万円以下です。

3.3 夫婦と子ども1人で住民税非課税世帯になる年収は?

妻が専業主婦(年収0のため住民税非課税)と子どもが扶養家族になります。

級地区分ごとの夫の年収は以下のとおりです。

【1級地】35万円×3人+31万円=136万円(所得金額)

205万円(年収)-69万5000円※(給与所得控除額)=135万5000円(所得金額)
※205万円×30%+8万円=69万5000円

【2級地】31万5000円×3人+10万円+18万9000円=123万4000円(所得金額)

187万円(年収)-64万1000円※(給与所得控除額)=122万9000円(所得金額)
※187万円×30%+8万円=64万1000円

【3級地】28万円×3人+16万8000円 +10万円=110万8000円(所得金額)

168万円(年収)-57万2000円(給与所得控除額)=110万8000円(所得金額)
※168万円×40%-10万円=57万2000円

これより、住民税非課税世帯になる年収は168万円~205万円以下です。

なお、住民税非課税世帯かどうかの判定については、お住いの地域ごとに均等割の非課税限度額の違いにより、多少変わります。

上記の年収は目安としていただき、正確な年収は、自治体へご確認くださいますようお願いいたします。

4. 住民税非課税世帯のまとめ

「東京23区・以外」にわけて、住民税非課税世帯になる要件を確認していきました。

「東京23区・以外」の市区町村の条例で定められた額は「所得」となっています。

所得は、会社から12~翌1月にもらう源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」で確認できます。

所得と年収とは異なる点に注意しましょう。

参考資料

舟本 美子