近年、3年以内に離職する人が多く、経営者や採用担当・人事が頭を悩ませる問題になっています。企業の数に対して、人材不足が言われている昨今、戦力になりそうな人材や即戦力の人材は貴重です。
そのため、各企業が採用に多大なコストをかけて、「いい人材」とされる人を得られるように競争する状況が生まれています。早期に転職されてしまっては、教育コストのみならず採用コストもかさみ、大きな損失になってしまうということです。
「どのようにすればZ世代の離職を減らせるか?」はSNSを見る限りでも、多く議論されています。そこで、LIMO・U23編集部では、先輩から聞く話なども交えつつ、離職率につながっているであろう「コミュニケーションの齟齬」について論じていきます。
1. Z世代が「職場コミュニケーションではない」と思っていること
1.1 飲み会で話をする
忘年会を実施する企業は多いですが、忘年会も日ごろ実施されるものも、飲み会は基本的にプライベートの時間。ライフワークバランスを重視するZ世代のなかには、飲み会なしで職場コミュニケーションを図りたいと望んでいる人も。
それだけでなく、若手にとって苦痛な時間になりがちです。飲み会の場では、ついつい上司の態度が大きくなり、部下が遠慮してしまうということがあるからです。
そのとき、上司と部下の会話と言うよりも、上司の一方的な話を聞いているだけになることもしばしば。
特に、上司の「若い時は~」という苦労話や「知り合いが有名人で~」といった自慢話は、「上司を満足させる」「満足させるまで話を聞く」というZ世代にとっては。この状況は「コミュニケーション」とはいえないでしょう。
さらに「恋人いそう・いなさそう」というような、セクハラになる発言も出てくるため、いわゆる「飲みニケーション」を避ける人もいます。
また、これまで恋愛至上主義といわれてきましたが、社会変化によって価値観が大きく変わってきました。楽しめる娯楽が増え趣味に興じる人もいれば、将来の貯蓄に不安を覚え、恋愛や結婚を避ける人もいます。
ジェネレーションギャップを埋めるのは難しいことですが、お互いに気持ちよく話せる環境が整ってこそ、コミュニケーションは成立するのでしょう。