60歳代で3000万円以上の貯蓄を保有している方の割合は、二人以上世帯のケースでおよそ20%です。
少数派で、達成は容易ではないでしょう。
一方で、誰しもセカンドライフを生きるうえで多額の資産が必要とは限りません。
2023年11月29日に公表された「介護給付費等実態統計月報(令和5年8月審査分)結果の概要」という資料では、全国の受給者数が介護予防サービス、介護サービスともに増加したことが記載されています。
しかし、実際の介護に必要となるお金については、それぞれの事情で異なるものです。
他の医療費や生活費についても、家族構成や居住地などによって人それぞれなので、自分のセカンドライフを考えた上で、適切な準備を進めることが重要なのです。
この記事では老後に向けた備えについて考えていきます。
60歳代貯蓄3000万円以上の割合はおよそ20%
60歳代のうち、およそ20%が貯蓄3000万円以上を達成しています。
令和4年(2022年)の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」によると、60歳代の金融資産額の分布は【グラフ1】の通りです。
- 非保有 :20.8%
- 100万円未満 :6.1%
- 100万円~200万円未満 :5.5%
- 200万円~300万円未満 :3.3%
- 300万円~400万円未満 :3.2%
- 400万円~500万円未満 :3.4%
- 500万円~700万円未満 :5.3%
- 700万円~1000万円未満 :6.1%
- 1000万円~1500万円未満:8.6%
- 1500万円~2000万円未満:5.7%
- 2000万円~3000万円未満:8.8%
- 3000万円以上 :20.3%
- 無回答 :2.9%
60歳代の前半は老後の資産形成のラストスパートに当たる時期なうえ、退職金により一時的にまとまった収入を得る方も多い世代です。
60歳代で3000万円を超える人の割合は、少数派ではありますが他の年代よりは高くなっています(【グラフ2】参照)。