2023年10月24日に開かれた第8回社会保障審議会年金部会で、国民年金の保険料の支払い期間を現在の40年間(20歳~60歳)から45年間(20歳~65歳)に延長すべきという意見が出ました。
現在、老齢年金の受給開始年齢は原則65歳からとなっていますが、そう遠くない将来、70歳に引き上げられる可能性もあるかもしれません。
年金や老後2000万円問題、物価高など老後の生活に対し不安要素が渦巻く現代。
少しでも不安を減らして老後を迎えるために、老後資金を十分に確保しておきたいものです。
では、現在の70歳代の平均的な貯蓄額はどのぐらいあるのでしょうか。
今回は70歳代のお金事情を覗き見していきたいと思います。
70歳代以上世帯「貯蓄額4000万円超」の世帯が多い?
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」より、70歳代以上世帯の貯蓄額を見ていきます。
70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円
70歳代以上世帯187万4554世帯の平均貯蓄額は2411万円です。
ただし、世帯ごとに貯蓄事情は異なりますので、貯蓄額別の世帯数と割合を見ていきましょう。
70歳代以上の貯蓄額別の世帯数(割合)
- 100万円未満:14万896世帯(7.94%)
- 100万円~:6万4999世帯(3.47%)
- 200万円~:6万426世帯(3.22%)
- 300万円~:6万9205世帯(3.69%)
- 400万円~:6万2104世帯(3.31%)
- 500万円~:7万670世帯(3.77%)
- 600万円~:5万2589世帯(2.81%)
- 700万円~:4万9056世帯(2.62%)
- 800万円~:6万433世帯(3.22%)
- 900万円~:4万6408世帯(2.48%)
- 1000万円~:10万9329世帯(5.83%)
- 1200万円~:8万5755世帯(4.57%)
- 1400万円~:6万9842世帯(3.73%)
- 1600万円~:8万2145世帯(4.38%)
- 1800万円~:5万9305世帯(3.16%)
- 2000万円~:15万265世帯(8.02%)
- 2500万円~:12万1065世帯(6.46%)
- 3000万円~:17万7308世帯(9.46%)
- 4000万円~:33万4754世帯(17.86%)
グラフを見ると「4000万円超」の世帯が多いのが見てとれます。
世帯ごとに事情は異なりますが、70歳代で4000万円もの貯蓄があれば安心かもしれません。
一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%という結果に。
年金収入だけでやり繰りできていたとしても、自宅の修繕費用や医療費、介護費用など突発的な出費に対応できる資金がないのは不安が大きいでしょう。
70歳代「老後の収入事情」
老後の収入の柱となる年金についても、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 を参考に確認しておきましょう。
【70歳代】国民年金の平均月額
- 70歳:5万7405円
- 71歳:5万7276円
- 72歳:5万7131円
- 73歳:5万7040円
- 74歳:5万6846円
- 75歳:5万6643円
- 76歳:5万6204円
- 77歳:5万6169円
- 78歳:5万5844円
- 79歳:5万5609円
【70歳代】厚生年金の平均月額
- 70歳:14万1026円
- 71歳:14万3259円
- 72歳:14万6259円
- 73歳:14万5733円
- 74歳:14万5304円
- 75歳:14万5127円
- 76歳:14万7225円
- 77歳:14万7881円
- 78歳:14万9623円
- 79歳:15万1874円
国民年金と厚生年金では平均月額が大きく異なります。
厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せする形で加入する年金で、一般的に国民年金より手厚いといわれています。
ただし、国民年金も厚生年金もそれぞれ個人差がありますので、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」でご自身の年金見込額を確認しておきましょう。
なお、上記の年金月額はあくまでも「額面」です。ねんきんネットやねんきん定期便で確認できる年金見込額も「額面」となります。
実際には所得税や住民税、各種保険料が天引きされる点も考慮して、老後の生活設計を立てましょう
物価高に負けない老後資金の準備を
今回は現在の70歳代のお金事情について見ていきました。
長寿化が進み「人生100年時代」と言われる現代では、「70歳代」はまだ老後生活のはじまりに過ぎません。
昔と異なり、潤沢な公的年金や退職金が約束された時代ではないため、自分で老後資金を準備しておくことが大切です。
数十年前なら、銀行の定期預金などに預けておけば十分な利子がついていたため、リスクを背負って投資せずとも資産を増やせていました。
しかし、今の時代は「超低金利」×「物価高」です。
貯金していたとしても、物価上昇よりも金利が低いため、実質的には資産が目減りしていることになります。
預貯金以外の資産運用にも目を向け「物価高に負けない、老後に向けた資産作り」に取り組んでみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「第8回社会保障審議会年金部会(議事録)」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
菅原 美優
