総務省統計局によると、70歳以上で働く人の割合は18.1%です。70歳以上の多くが仕事を辞めて老後生活を送っています。

では、老後生活を送る人が多い70歳代はどれくらい貯蓄があるのでしょうか。また、毎月の生活費や年金受給額はいくらなのでしょうか。

本記事では、70歳代「おひとりさま」のリアルな貯蓄実態や生活実態を紹介するので、参考にしてみてください。

70歳代おひとりさまの貯蓄額はいくらか

まずは、70歳代「おひとりさま」の平均貯蓄額を確認しましょう。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、70歳代「おひとりさま」の貯蓄額の実態は以下のとおりです。

なお、貯蓄には貯金以外にも株式や投資信託、積立型保険商品などを含みます。

70歳代単身世帯の貯蓄額

  • 非保有        :28.3%
  • 100万円未満      :5.2%
  • 100~200万円未満   :4.0%
  • 200~300万円未満   :4.2%
  • 300~400万円未満   :4.6%
  • 400~500万円未満   :3.0%
  • 500~700万円未満   :8.8%
  • 700~1000万円未満   :4.8%
  • 1000~1500万円未満 :5.6%
  • 1500~2000万円未満 :5.8%
  • 2000~3000万円未満 :8.2%
  • 3000万円以上      :16.1%
  • 無回答          :1.2%
     
  • 平均値 :1433万円
  • 中央値 :485万円

70歳代「おひとりさま」の貯蓄の中央値は485万円です。多くの世帯では充分な貯蓄があるとは言えない状況となっています。また、貯蓄がゼロの世帯の割合も28.3%と高いです。

一方で、平均値は1433万円のため、一部のお金持ちが平均値を大きく引き上げていることがわかります。

70歳代の老後収入はいくらか

70歳代の貯蓄事情を確認しましたが、老後は原則年金がもらえます。年金の受給額が多ければ、貯蓄は必要ないかもしれません。

では、70歳代は実際にどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代の平均年金受給額は以下のとおりです。

◆70歳代:厚生年金の平均年金額◆※国民年金(老齢基礎年金)を含む金額

  • 70歳:14万1026円
  • 71歳:14万3259円
  • 72歳:14万6259円
  • 73歳:14万5733円
  • 74歳:14万5304円
  • 75歳:14万5127円
  • 76歳:14万7225円
  • 77歳:14万7881円
  • 78歳:14万9623円
  • 79歳:15万1874円

◆70歳代:国民年金の平均受給額◆

  • 70歳:5万7405円
  • 71歳:5万7276円
  • 72歳:5万7131円
  • 73歳:5万7040円
  • 74歳:5万6846円
  • 75歳:5万6643円
  • 76歳:5万6204円
  • 77歳:5万6169円
  • 78歳:5万5844円
  • 79歳:5万5609円

年齢によって若干の差はありますが、会社員や公務員として働いた経験のある厚生年金受給者の平均年金額は月14万5000円ほどとなっています。

一方で、自営業者など国民年金のみしか受け取れない人の平均年金額は月5万5000円程と少ないです。

シニアの老後生活費はいくらか

70歳代の平均年金受給額を確認しましたが、生活費はどのくらいかかるのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の平均生活費は月15万5495円です。

実収入は13万4915円となりますので毎月2万580円の赤字となります。

収入13万4915円-支出15万5495円=2万580円

先ほど確認した厚生年金と国民年金の平均年金額で計算してみましょう。

70歳代厚生年金受給者の平均年金額が月に約14万5000円なので、毎月約1万円の赤字となります。また、自営業者などの厚生年金を受給できない人の平均年金額は月5万5000円ほどのため、毎月10万円ほどの赤字です。

もちろん持ち家か賃貸などの生活環境によって生活費は異なりますが、厚生年金を受給できない人が公的年金のみで生活するのは一般的に難しいでしょう。

老後対策は人によって異なる

70歳代の貯蓄実態や生活実態を紹介しましたが、お金の事情は人によって異なります。貯蓄がなくても年金を多くもらえる人は、老後対策は必要ないかもしれません。

一方で、年金が少ない人や毎月の生活費が高い人は、老後資金の用意が必要です。ぜひ、自分の老後をシミュレーションし、必要な老後対策を始めてみてください。

参考資料

苛原 寛