児童手当における「第3子の範囲を広げたい」とは?
冒頭で岸田文雄首相の「現行のカウント方法を見直して、月3万円支給できる第3子の範囲を広げたい」という発言を紹介しました。
この「第3子の範囲を広げたい」という言葉に「どういうこと?」と思う方がいるかもしれません。
というのも、通常であれば、第3子とは、3番目に生まれた子どもを思い浮かべるはずです。
しかし、児童手当制度での第3子とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます。
たとえば、高校3年生、中学1年生、小学5年生の3人きょうだいの場合であれば、以下のようにカウントされます。
- 高校3年生:第1子
- 中学1年生:第2子
- 小学5年生:第3子
しかし、一年後のカウントは以下のように変更されます。
- 高校卒業:対象外
- 中学2年生:第1子
- 小学6年生:第2子
当初、第3子と扱われた子どもは、第1子が高校を卒業すると第2子に変更されます。
現在の児童手当では、第3子の「3歳~小学生」には、月1万5000円が支給されていますが、1年後は上記の理由で月1万円に減額されます。
このように第3子のカウントが変わるのは「ややこしい」ものです。
「第3子の範囲を広げたい」というのが、今後どう変わるのか注視しましょう。
児童手当が拡充されるかわりに「扶養控除」が廃止または縮小になるかも?
児童手当が拡充されることは、子育て世帯にとっては嬉しいことです。
しかし、一方で「扶養控除」を縮小するかもしれないという話も出ています。
これには「なんだか微妙?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
扶養控除とは、納税する者に所得税法上の控除対象扶養親族になる人がいる場合、一定額の所得控除を受けられる制度です。
その年12月31日現在の年齢が16歳~18歳の子どもがいれば、その親は年間38万円の扶養控除が受けられます。
しかし、今後、16歳~18歳の子どもにも児童手当が支給され、毎年38万円の扶養控除も受けることになると二重補助になってしまうため、扶養控除を廃止するか、縮小するかで検討されているようです。
もし、扶養控除の廃止、縮小となれば、所得税などの負担が高くなってしまいます。