政府が掲げる「異次元の少子化対策」の一つが「児童手当」の拡充です。

児童手当の「3人目のカウント方法」をめぐっては以前から問題になっており、先日の衆院予算委員会で岸田文雄首相が「現行のカウント方法を見直して、月3万円支給できる第3子の範囲を広げたい」と、従来のルールの見直す発言に注目が集まりました。

今後も、細かな点で協議が行われる予定になっています。

そんな中、児童手当の拡充開始が、当初予定されていた2025(令和7)年2月から、2024年12月に前倒しされることになりました。

今回は、なにかと話題の「児童手当」をおさらいしてみましょう。

現行の児童手当と、拡充される児童手当を確認

「児童手当」とは、子どもを養育している保護者に対して支払われる給付金で、子どもが中学校を卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)するまでもらえます。

受給額は年齢ごとに以下のように決まっています。

児童手当の受給額

  • 0~3歳未満:月1万5000円
  • 3歳~小学生:月1万円(第3子以降は月1万5000円)
  • 中学生:月1万円

児童手当は、2月(10~1月分)・6月(2~5月分)・10月(6~9月分)の年3回、4か月分をまとめてもらいます。

児童手当の今後の拡充ポイントは「対象期間」と「第3子に対する給付金」

中学校を卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)までという対象期間が、今後は高校生を卒業(18 歳に達する日以後の最初の3月31日)まで、月1万円の給付金が支給されます。

さらに第3子以降は、現在の月1万5000円から、2倍の3万円が支給となります。

児童手当の親の所得制限は批判の声が多く「完全撤廃」に

現在の児童手当にある親の所得制限についても確認しておきましょう。

児童の年齢に応じて、児童を扶養する親の所得額が「①(所得制限限度額)未満」であれば、通常どおりの児童手当が支給されます。

しかし、所得が「①以上②(所得上限限度額)未満」であれば、特例給付(児童1人当たり月額一律5000円)が支給されます。

さらに、2022(令和4)年10月支給分からは、児童を養育している方の所得が「②所得上限限度額以上」になれば、児童手当等は支給されません。

この児童手当の所得制限については、批判の声が多数あり、今後は所得制限が完全撤廃される予定です。

児童手当における「第3子の範囲を広げたい」とは?

冒頭で岸田文雄首相の「現行のカウント方法を見直して、月3万円支給できる第3子の範囲を広げたい」という発言を紹介しました。

この「第3子の範囲を広げたい」という言葉に「どういうこと?」と思う方がいるかもしれません。

というのも、通常であれば、第3子とは、3番目に生まれた子どもを思い浮かべるはずです。

しかし、児童手当制度での第3子とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます。

たとえば、高校3年生、中学1年生、小学5年生の3人きょうだいの場合であれば、以下のようにカウントされます。

  • 高校3年生:第1子
  • 中学1年生:第2子
  • 小学5年生:第3子

 

しかし、一年後のカウントは以下のように変更されます。

  • 高校卒業:対象外
  • 中学2年生:第1子
  • 小学6年生:第2子

 

当初、第3子と扱われた子どもは、第1子が高校を卒業すると第2子に変更されます。

現在の児童手当では、第3子の「3歳~小学生」には、月1万5000円が支給されていますが、1年後は上記の理由で月1万円に減額されます。

このように第3子のカウントが変わるのは「ややこしい」ものです。

「第3子の範囲を広げたい」というのが、今後どう変わるのか注視しましょう。

児童手当が拡充されるかわりに「扶養控除」が廃止または縮小になるかも?

児童手当が拡充されることは、子育て世帯にとっては嬉しいことです。

しかし、一方で「扶養控除」を縮小するかもしれないという話も出ています。

これには「なんだか微妙?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

扶養控除とは、納税する者に所得税法上の控除対象扶養親族になる人がいる場合、一定額の所得控除を受けられる制度です。

その年12月31日現在の年齢が16歳~18歳の子どもがいれば、その親は年間38万円の扶養控除が受けられます。

しかし、今後、16歳~18歳の子どもにも児童手当が支給され、毎年38万円の扶養控除も受けることになると二重補助になってしまうため、扶養控除を廃止するか、縮小するかで検討されているようです。

もし、扶養控除の廃止、縮小となれば、所得税などの負担が高くなってしまいます。

児童手当「拡充」の裏にある負担増に注目

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児童手当拡充の開始は、約1年後の2024年12月からに前倒しされました。

それまでに、第3子のカウント方法、扶養控除の見直しなども次々に確定していくでしょう。

その際、世帯年収によっては、児童手当の支給額よりも税金の負担が増える可能性もあるかもしれません。

新しい情報をいち早く取り入れ、家庭内でのシミュレーションを行う必要がありそうです。

参考資料