2024年からの新NISAでは、成長投資枠でもつみたて投資枠でも投資信託の買い付けができます。
投資信託で分配金が支払われる場合、受け取るか再投資するかを選べます。
分配金の受け取りと再投資で何が違うか、有利な方法はどちらかがわからない人もいるでしょう。
この記事では投資信託の分配金の基礎知識や、受け取りと再投資の違いなどを解説します。
投資信託の分配金とは
投資信託の分配金とは、運用によって得られた収益を投資家に分配するお金のことです。
分配金は必ず出るわけではなく、投資信託ごとの分配方針によって出すかどうかや金額が決められます。
普通分配金と特別分配金
投資信託の分配金には、運用益として課税される「普通分配金」と非課税の「特別分配金」があります。
普通分配金とは、投資信託の運用によって得られた収益から支払われる分配金です。通常は配当所得として課税されますが、NISAでは非課税となります。
特別分配金(元本払戻金)は投資した元本の一部払い戻しであるため、課税されません。
分配金は「受け取り」か「再投資」を選ぶ
投資信託の分配金が支払われた場合、受け取るか、受け取らずに再投資するかの選択が可能です。
「受け取り」を選ぶと、分配金が支払われるごとにそのまま受け取ります。
「再投資」の場合、支払われた配当金を受け取らずに同じ投資信託を追加購入します。
つみたて投資枠(つみたてNISA)には分配金が出ない投資信託も
先述のとおり、投資信託の分配金は必ず支払われるわけではありません。
新NISAのつみたて投資枠(現行のつみたてNISA)の投資信託には、分配金が出ていないものが多数あります。
つみたて投資枠の対象は、資産形成につながるように分配金の支払い頻度の少ない投資信託を金融庁が選定しているためと考えられます。
分配金を受け取る場合と再投資する場合の比較
分配金を受け取る場合と受け取らずに再投資する場合では、どちらが有利でしょうか。ここでは、それぞれの運用成果を比較します。
分配金を受け取る場合
最初に分配金を受け取る場合の、期間の経過ごとの運用成果の推移を見ていきましょう。
毎月2万円を3%の利回り(年率)で20年間積み立て、分配金を受け取る場合の運用成果は以下のとおりです。
なお、分配金は運用益全額で、年に1度の受け取りとします。
分配金を受け取る場合、20年間の投資元本は480万円、受け取る分配金の累計は151万2000円、元本と分配金の合計は631万2000円となります。
分配金を再投資する場合
次に、分配金を元本に組み入れて再投資する場合の、期間の経過ごとの運用成果の推移も確認しましょう。
毎月2万円を3%の利回り(年率)で20年間積み立て、分配金を再投資する場合の運用成果は以下のとおりです。
年1回の複利計算とし、試算には金融庁の資産運用シミュレーションを使用します。
分配金を再投資する場合、20年間の投資元本は480万円、運用益の合計は176万6000円、元本と分配金の合計は656万6000円となります。
分配金受け取りと再投資では、最初のうちは受け取りの元利合計が多く、期間の経過ごとに再投資のほうが多くなることを確認できました。
ただし、このシミュレーションは単純な比較であり、実際にはずっと同じ利回りで運用するわけではありません。
長期の運用では分配金再投資が有利
以上の結果から、運用期間が長期の場合は分配金を再投資したほうが有利といえます。
NISAは長期運用を前提とした制度のため、投資信託の分配金を再投資して複利効果を活かしたほうがよいでしょう。
複利効果とは発生した利益を投資元本に組み入れて運用を続けると、時間の経過ごとに元本が増えて得られる利益も増えることです。
NISAの分配金についての注意点
NISAで投資信託の分配金を再投資すると、通常の買い付けと同様に1年ごとの非課税枠を使用します。
そのため、再投資の際にその年の非課税枠が不足するケースに注意が必要です。
再投資の際に非課税枠が不足する場合の取扱いは金融機関ごとに異なり、以下のようなパターンがあります。
- 再投資のための買い付けをせず、分配金受け取りとなる
- 再投資分を課税口座で買い付ける(分配金に課税される)
2024年からの新NISAでは、1年間の非課税投資枠がつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円と大幅に増えます。
そのため、分配金再投資で非課税枠がオーバーとなるケースは少ないと考えられます。
分配金のコースで迷ったら再投資を選びましょう
長期運用において投資信託の分配金は受け取らずに再投資したほうが、複利効果を期待できます。
長期で運用する人が受け取りか再投資かで迷ったら、再投資を選んでおくとよいでしょう。
受け取りと再投資の特徴を理解し、適切な方法を選べるようにしましょう。


