金利が高水準で推移するなか、「個人向け国債は今が購入のタイミングでは」と気になっている人もいるかもしれません。

一方で、個人向け国債の利子には原則として20.315%の税金がかかる点にも注意が必要です。

ただし、条件によっては利子が非課税となる制度を利用できる場合もあります。

本記事では、最新の発行条件をもとに、個人向け国債の金利動向や利子の仕組み、さらに利子が非課税となるケースについてわかりやすく解説します。

1. 金利が高水準を維持するなか、個人向け国債は今が購入のタイミング?

2026年3月募集分(3月5日~31日)の個人向け国債の発行条件が公表されました。

  • 変動10年:1.40%(1月1.39%、12月1.23%、11月1.10%)
  • 固定5年:1.58%(1月1.59%、12月1.35%、11月1.19%)
  • 固定3年:1.34%(1月1.30%、12月1.10%、11月0.99%)

なかでも、固定5年の1.58%は、近年の個人向け国債の中でも比較的高い利率水準となっています。

2. 個人向け国債「3種類」の違いを整理

個人向け国債には、「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があります。

それぞれ満期や金利の仕組みが異なるため、特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。

まず「変動10年」は満期が10年で、適用される金利が半年ごとに見直される仕組みとなっています。

市場金利の動きに連動して利率が変わるため、金利が上昇する局面では受け取れる利子が増える可能性があります。

一方、「固定5年」と「固定3年」は、発行時に決まった利率が満期まで変わらない固定金利型の国債です。

購入した時点で金利が確定しているため、おおよその運用結果を見通しやすい点が特徴といえます。

満期は、変動10年が10年、固定5年が5年、固定3年が3年です。

また、いずれの個人向け国債も利子は半年ごとに年2回支払われ、最低1万円から1万円単位で購入できます。

このように、個人向け国債は金利の仕組みや満期の違いによって特徴が異なるため、運用期間や金利の動向を踏まえ、自分の資産運用の考え方に合った種類を選ぶことが大切です。

3. 個人向け国債は今後さらに金利が上がるのか?「変動10年」の受取利子の推移を確認

「今後さらに金利が上昇する可能性がある」と考える場合には、半年ごとに適用金利が見直される「変動10年」が適しています。

実際、過去の変動型国債では、金利の上昇にあわせて受取利子が増えてきた例があります。

例として、2023年6月に発行された「第158回債」の適用利率の推移を見てみましょう。

変動10年の受取利子シミュレーションを見る!2/3

変動10年の受取利子シミュレーションを見る!

出所:財務省「個人向け国債 受取利子シミュレーション」

個人向け国債「変動10年(第158回債)」適用利率(税引前)の推移

  • 2023年6月16日~2023年12月15日:0.28%
  • 2023年12月16日~2024年6月15日:0.60%
  • 2024年6月16日~2024年12月15日:0.57%
  • 2024年12月16日~2025年6月15日:0.65%
  • 2025年6月16日~2025年12月15日:0.84%
  • 2025年12月16日~2026年6月15日:1.10%

発行当初の利率は0.28%と低水準でしたが、その後の金利上昇を受け、直近では1.10%まで上昇しています。

100万円購入した場合の受取利子の変化は次のとおりです。

シミュレーション:変動10年(第158回債)を100万円購入した場合の受取利子

  • 2023年6月16日~2023年12月15日:税引前1400円(税引後1116円)
  • 2023年12月16日~2024年6月15日:税引前3000円(税引後2390円)
  • 2024年6月16日~2024年12月15日:税引前2850円(税引後2271円)
  • 2024年12月16日~2025年6月15日:税引前3250円(税引後2589円)
  • 2025年6月16日~2025年12月15日:税引前4200円(税引後3346円)
  • 2025年12月16日~2026年6月15日:税引前5500円(税引後4382円)

利子には20.315%の税金が課されます。

最初の半年は税引後1116円でしたが、約2年半後には1回あたり4382円となり、当初の約4倍に増えています。

4. 個人向け国債の利子には税金が課されるが「非課税」となるのはどんな人?

利子が非課税になるのはどんな人?3/3

利子が非課税になるのはどんな人?

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身体障害者手帳の交付を受けている人や、遺族年金を受けることができる妻である人などは、「障害者等の少額公債の利子の非課税制度(特別マル優)」を利用できる場合があります。

この制度を利用すると、一定額までの利子が非課税となるため、通常より有利に運用することが可能です。

適用条件や手続きの詳しい内容は、金融機関や税務署で確認するとよいでしょう。

4.1 利子はいつ・いくらもらえる?

個人向け国債の利子は、原則として「発行月」とその6か月後の15日に支払われます(初期の変動10年の一部は10日)。

支払日が土日祝など金融機関の休業日に当たる場合は、翌営業日に振り込まれます。

初回の利子は、発行日から最初の利払日までの期間が半年に満たないケースが多いため、その分を日割りで計算した金額となります。

2回目以降は「額面金額 × 年利率 ÷ 2」で計算されます。

ただし、実際に受け取る金額は税金が差し引かれるため、計算結果より少なくなります。

5. 金利上昇局面では「個人向け国債の特徴」を理解して選ぼう

本記事では、個人向け国債の金利動向や利子の仕組みについて解説しました。

個人向け国債は金利が高水準で推移しており、3月募集分の固定5年は1.58%と引き続き魅力的な利率となっているため資産運用の選択肢として関心を持つ人も増えているでしょう。

一方で、利子には税金が課される点や、利子の支払タイミングなども理解しておくことが重要です。

制度の仕組みや特徴を把握したうえで、自分の運用方針に合った商品を選ぶことが大切といえるでしょう。

参考資料