事例1:構造上どうしても取れない柱の使い道

alexandre zveiger/shutterstock.com

「部屋の中途半端な位置に構造上どうしても取れない柱があり、邪魔だと思いながら諦めることになりました。

営業担当者は子供の絵や作品などを飾るスペースにすることを提案しましたが、子供はあっという間に成長してしまうので、これを断ってフリースペースにしました。

机を置いてアイロンがけの作業スペースにする、子供のちょっとした宿題を行うスペースにするなど、その時によって臨機応変に使い分けています」

構造上、どうしても取れない柱が生まれてくることはあります。

このスペースの使い道を限定せずに、多目的に使用できるフリースペースがあると、住まい全体にゆとりのある印象を演出することができます。

一方、失敗すると利用頻度が低い無駄なスペースになってしまう恐れもあるので、フリースペースを設ける場合には事前に考えられる用途をリストアップしておくことが大切です。

事例2:外構工事費の上乗せ

「地盤調査の結果、地盤改良工事が不要なことがわかったので予算に余裕ができました。

そのためなのか営業担当者から「この土地は緑化計画の対象地域なので芝生や生垣が必要になる」といわれ、急遽外構工事費の上乗せを提案されたんです。

しかしもともと虫が苦手で生垣の手入れにも自信がなかったので、この提案は断りました。

市役所にも確認したところ、緑化地域の指定要件から外れているとのことでした」

緑化地域制度とは市街地などにおいて、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定の割合以上の緑化を義務付ける制度です。(都市緑地法第34条)

緑化地域は市町村が決定しますが、義務付けの対象となるのは敷地面積が原則1000㎡以上の建築物の新築または増築で、市町村は特に必要がある場合には、条例で敷地面積の対象規模を300㎡まで引き下げることができます。

したがって地域により要件が異なるため、事前に市町村に確認が必要になります。