国土交通省が今後の住宅政策に役立てるために5年ごとに実施している住生活総合調査の結果によると、住宅に対する評価に関しての不満率は総じて減少しています。
これまでの調査で最も不満率が高かった1988年の51.5%から2018年の前回の調査では、23.1%と大幅に減少しました。
注文住宅を購入する際には設計担当者や営業担当者との相性が最も大切なこととされていますが、信頼できる担当者だからといって全てを任せっきりにしてしまうと、後悔することにもなりかねません。
そこで本記事では、注文住宅で設計士や営業担当者からの提案を断わった事例を紹介したいと思います。
注文住宅を建てるときに「設計士や営業担当者からの提案」を断わった事例
念願のマイホームを建てるとなると、できる限り自分の要望を叶えたいと思うのは自然なことです。
そうした要望を具現化する手伝いをするのが住宅会社の設計士や営業担当者ですが、設計士や営業担当者からの提案にはメリットばかりでなくデメリットも存在しています。
したがってそれらを十分に考慮して、最終的には自分で判断することが大切です。
ここでは京都府で4600万円の注文住宅を建てた夫婦が、実際に断った事例をご紹介します。
事例1:構造上どうしても取れない柱の使い道
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「部屋の中途半端な位置に構造上どうしても取れない柱があり、邪魔だと思いながら諦めることになりました。
営業担当者は子供の絵や作品などを飾るスペースにすることを提案しましたが、子供はあっという間に成長してしまうので、これを断ってフリースペースにしました。
机を置いてアイロンがけの作業スペースにする、子供のちょっとした宿題を行うスペースにするなど、その時によって臨機応変に使い分けています」
構造上、どうしても取れない柱が生まれてくることはあります。
このスペースの使い道を限定せずに、多目的に使用できるフリースペースがあると、住まい全体にゆとりのある印象を演出することができます。
一方、失敗すると利用頻度が低い無駄なスペースになってしまう恐れもあるので、フリースペースを設ける場合には事前に考えられる用途をリストアップしておくことが大切です。
事例2:外構工事費の上乗せ
「地盤調査の結果、地盤改良工事が不要なことがわかったので予算に余裕ができました。
そのためなのか営業担当者から「この土地は緑化計画の対象地域なので芝生や生垣が必要になる」といわれ、急遽外構工事費の上乗せを提案されたんです。
しかしもともと虫が苦手で生垣の手入れにも自信がなかったので、この提案は断りました。
市役所にも確認したところ、緑化地域の指定要件から外れているとのことでした」
緑化地域制度とは市街地などにおいて、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定の割合以上の緑化を義務付ける制度です。(都市緑地法第34条)
緑化地域は市町村が決定しますが、義務付けの対象となるのは敷地面積が原則1000㎡以上の建築物の新築または増築で、市町村は特に必要がある場合には、条例で敷地面積の対象規模を300㎡まで引き下げることができます。
したがって地域により要件が異なるため、事前に市町村に確認が必要になります。
事例3:照明やカーテン
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「担当の営業マンに、照明やカーテンをまとめて注文すればインテリアに統一感が出て自分で取り付ける手間も不要になるといわれましたが、2階の分は断って自分で用意して取り付けました。
結果的に予算よりも大幅なコストダウンが可能になったので正解でした。
友人は施主が支給した分も取り付けて貰えたようなので、ハウスメーカーによって違いがあると思いました」
カーテンや照明器具などを自分でホームセンターやインターネットなどで探して購入することで、住宅会社に依頼するよりも安価に購入できることがあります。
ただし取り付けのみを住宅会社に依頼すると、施工費が高額になる場合もあるので、手間をかけた割にコストダウンにつながらないことがあります。
したがって事前に住宅会社の担当者に確認しておくと良いでしょう。
事例4:玄関ドアを親子ドアに
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「今どきの子育て世帯はベビーカーの出し入れがあるので、玄関ドアには親子ドアを採用するのが一般的です、と営業マンから提案されましたが、ベビーカーを使用する時期はあっという間に終わってしまいました。
そもそも30坪未満の小さな家なので、普通の玄関ドアにしました。
特に不便さを感じることもなく、大きな家具も問題なく搬入することができたので、特に問題はありませんでした」
玄関ドアを親子ドアにするためには、玄関の土間や玄関ホールにある程度の面積が必要になります。
玄関を広くすることによってその分居室の面積が狭くなるといったデメリットが生じる場合もあるので、住宅事情を考慮して玄関ドアの形状やサイズを検討することが大切です。
営業マンや設計担当者の意見がマストとは言えない
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住宅会社の営業マンや設計担当者はそれまでに多くの家づくりに関わってきた経験があるので、一般の方が思いもよらない提案をしてもらえたり、迷った時に正しい方向に導いてくれたりすることを期待できます。
しかしどんな提案にもメリットとデメリットがあり施主にもそれぞれの事情があるので、営業マンや設計士の意見がすべての人にとってベストであるとは限りません。
したがって最終的には施主が判断することになります。
家づくりで失敗しないためには、施主自らが最低限の知識を身に着けておくことが重要です。
参考資料
亀田 融