1.2 「繰下げ受給」66歳以後75歳までの間に繰り下げて年金を受給できる制度
「繰下げ受給」は、老齢年金を「65歳で受け取らず」に、66歳以後75歳までの間に繰り下げることで、受け取れる年金額を増額できる制度です。
年金受給を1ヶ月繰下げるごとに「0.7%増額」され、75歳まで繰下げた場合は最大で「84%」も増額することができ、増額率は一生涯変わることはありません。
仮に年金の受給額が15万円だった場合、75歳まで繰下げて受給をしたとすると、受給額は「27万6000円」にまで増額されます。
近年では、定年退職後も働くシニアが増えています。「働けるうちは働いて老後に備えたい」といった選択をする人が増えているのかもしれません。
2. 「繰上げ受給」と「繰下げ受給」している人は何パーセント?
前章では、「繰上げ受給」と「繰下げ受給」それぞれの概要やメリットについて解説してきましたが、果たしてどのくらいの人がこのような制度を利用しているのでしょうか。
厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際に「繰上げ受給」または「繰下げ受給」を選択している人は下記の結果となりました。
2.1 国民年金の場合
国民年金の場合、8割以上の人が「繰上げ・繰下げ受給」をしておらず、繰下げ受給にいたっては1%台となっています。
繰上げ受給者は約1割の制度利用者が存在しますが、過去3年間の推移をみると、わずかに減少傾向にあることがわかります。