7月14日、日本銀行は「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表しました。この内容を具体的に見ていくと、現在の生活についてゆとりがなくなり、また物価高騰を気にしている方が多いことがわかります。
皆さんも最近のお買い物では、何よりも「値段が安い」ことを重視している方が多いのではないでしょうか。
今は一定の収入があるため影響が少ない人も、たとえば老後までこのような状況が続くと考えれば少し不安になりますよね。
そこで今回は、シニア世帯の一部が受給している「年金生活者支援給付金」について見ていきます。
「年金生活者支援給付金」は年金を含めた所得が一定以下の方が受け取れる給付金です。これは国からの年金額に上乗せして受給できる制度なので、シニア以外にもどんな人が対象になっているのか確認していきましょう。
また、9月初旬には新たなに対象となる方に請求書が送付されます。そちらの手続き方法も解説します。
1. 9月送付予定「年金生活者支援給付金請求書」手続き方法とは
年金生活者支援給付金は、申請をしないと受け取れない仕組みです。
該当者が多い2つのパターンについて、まずは請求手続きの方法から紹介します。
1.1 新たに老齢年金を受け取り始める人が、年金生活者支援給付金の支給対象となった場合
- 65歳になる3カ月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前給付用)」に同封して、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます
- 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と併せて年金事務所に提出します
1.2 【9月送付予定】すでに年金受給中で、新たに年金生活者支援給付金の支給対象となった場合
- 毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます
- 必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函します
原則として、請求した月の翌月分からの支給となります。届いた人は氏名記載などを行い、返送しましょう。早めの手続きをおすすめします。
なお、一度請求書を提出すれば支給要件を満たす限り2年目以降の手続きは不要で、継続して受給することができます。
2. 「年金生活者支援給付金」とは?対象者の要件をみる
「年金生活者支援給付金」は、老齢・障害・遺族それぞれの基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定以下である場合に支給されるものです。
年金生活者支援給付金はだれでも受け取れるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。
どのような方が対象となるのか、確認してみましょう。
2.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の対象は、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
2.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金等の非課税収入は除く
2.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
いずれの年金生活者支援給付金にも、前年の所得額が支給要件として関わっています。
次章では、年金生活者支援給付金の給付額について確認しましょう。
3. 2025年度「年金生活者支援給付金」の給付基準額は月いくら?
給付額は公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて支給額の見直しが行われます。
2025年度の給付額はいずれも前年度から2.7%引き上げられました。
- 老齢年金生活者支援給付金:基準額:月額5450円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されるため、個人差が出ます。
次章では、年金生活者支援給付金の請求手続きの方法について詳しく見ていきましょう。
4. 国民年金と厚生年金の受給額は平均でいくらか
現代のシニア世代がどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。
厚生労働省が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、60歳以上のすべての受給権者が受け取る年金額を見てみます。
4.1 厚生年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
4.2 国民年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金(国民年金部分を含む)の受給額は、個人の働き方や加入期間、収入によって大きく異なるため、2万円未満の低額受給者から30万円を超える高額受給者まで幅広く分布しています。
国民年金のみを受給する場合でも、受給額に幅がありますね。
厚生年金ほどその幅は大きくはないですが、低額受給者が一定数存在することがわかります。
5. 2025年度からの厚生年金と国民年金も増額
2025年度になり、前述の「年金生活者支援給付金」だけでなく、年金も金額が変わります。
ここでは、若い世代が知っておきたい「年金」の基本について、説明します。
5.1 Q 今年度、年金の支給額は変わりますか。
→A 2025年度の年金額は、2024年度から原則1.9%引き上げられます。
年金額は、物価や賃金の変動に応じて、毎年見直される仕組みになっています。
物価が大きく上がっても、賃金の上昇がそれほどでない場合、年金の上がり方は、賃金の上昇率に合わせて調整されます。
これは、現役で働いている人たちの負担が大きくなりすぎないようにするためです。
つまり、年金額は経済状況に合わせて調整され、特に物価が高騰した場合には、現役世代の負担とのバランスを考慮して決められているのです。
6. まとめにかえて
ここまで、「年金生活者支援給付金」について確認してきました。
この給付金額だけでなく、基本となる公的年金額も物価高に併せて増額となっているのは嬉しいことですね。年金額は毎年度改定となるので、公的年金、年金生活者支援給付金ともにその増額率を確認するようにしましょう。
公的年金も年金生活者支援給付金も、申請しないともらえません。
そのため、請求書がきたらきちんと内容を確認して、手続きをおこないましょう。






