3.2 繰下げ受給をしないほうがいい人

繰下げ受給をしないほうがいい人の特徴として、下記が挙げられます。

  • 加給年金を受給できる人
  • 年金額が多い人
  • 健康面が心配な人

加給年金とは、一定の要件を満たす配偶者や子どもがいる場合、上乗せして受け取れる年金です。

老齢厚生年金の繰下げ受給を選択した場合、加給年金が受け取れなくなってしまうため、加給年金の受給対象の場合は注意しましょう。

なお、現役時代に収入が多く「受け取れる年金額が多い人」は、繰下げ受給をすることで税金や社会保険料の負担がさらに増えるケースがあるため、繰下げ受給をすることで所得区分がどのように変化するのか、事前に確認しておけると良いです。

また、寿命によってはトータルの受給額が少なくなる可能性があることから、健康面が心配な人はかえって損をしてしまうケースがあります。

人によっては65歳から受給したほうがお得になる可能性も十分にあることから、日本の平均寿命や家系の寿命などを参考に、どのタイミングで受給を開始するのが得になるのかをシミュレーションしておけると良いでしょう。

4. 事前に年金の受給開始年齢について考えておこう

本記事では、「繰上げ受給」と「繰下げ受給」している人の割合について解説していきました。

「繰上げ受給」と「繰下げ受給」それぞれにメリットはあるものの、実際に活用している人は、ごくわずかという結果に。

人によっては、「繰上げ受給」または「繰下げ受給」を選択することで、デメリットと感じたり損をしたりするケースもあるため、本記事を参考に自分はどのタイミングで受給開始をするべきか、事前に検討しておけると良いでしょう。

参考資料

和田 直子