介護生活が始まると、それまで予想したことがないようなトラブルや困りごとが起こります。特に認知症からくる問題行動への対応に悩み、疲弊する家族は少なくありません。
史子さん(50代・仮名)もその一人。認知症のお母様から「お金を盗んだ!」と泥棒呼ばわりされ、疲弊しているようです。
今回は史子さんから筆者に寄せられたお悩み相談への回答を交えながら、認知症介護で知っておきたい「お金の管理」について考えていきます。
認知症の母(80歳)は「家族にお金を盗まれた」が口癖です
認知症のお母様(80歳)を在宅で介護する、史子さん(仮名・50代・東京都在住)から、ケアマネジャーの筆者のもとに、こんな相談が寄せられました。
【史子さんからの相談】日常的な「泥棒呼ばわり」で家族は疲弊
同居する母(80歳)は認知症。最近財布や通帳を保管した場所を忘れて見当たらなくなると「家族が盗んだ」と疑ってきます。
それだけならまだいいのですが、母が銀行にお金をおろしに行きたがるため、私が通帳を預かると「財産ごとかすめとっていく気か!」と、ものすごい剣幕で怒鳴るのです。
認知症のせいであることは分かっていますが、日常的に泥棒呼ばわりされる私たち家族は疲弊しきっています。
認知症の母とどう接すればよいのか……。そして、これから先、母のお金をどのように管理していけばよいでしょうか?