日本人の平均年収は世界的にみても低く、バブル崩壊以降、日本の賃金水準はほとんど変わっていないことをご存知でしょうか。
2023年9月27日、国税庁は最新の民間給与に関する統計データを公表しました。
本記事では、日本の平均年収の推移とともに、ここ30年の推移で浮き彫りになる日本の課題について紹介していきます。
「年収は変わらないのに、なぜか生活が苦しくなっている」と感じる方は参考にしてください。
日本の平均年収は458万円。30年間でほとんど変わらず
国税庁の「令和4年分 民間給与実態調査」によると、2022年の平均年収は458万円となり、過去10年間で年収にほとんど変動がないことがわかります。
30年前となる1992年の平均年収は425万円となっており、ここ30年で平均年収がほとんど変わっていないことがうかがえます。
さらに、過去30年で最も高い平均年収は1997年の467万3000円であり、2022年の平均年収は約10万円ほど下がっています。
上記の推移結果から、1992年から2022年までの30年間において、日本の平均年収に変化がほとんど見られておらず低迷した状態が続いていることがわかります。
日本の平均年収は世界的に見ても停滞傾向に
前述したように日本の平均年収は過去30年でほとんど変わっておらず停滞した状態となっていますが、これは世界的にみても異例のケースであり、多くの他国では過去30年で賃金の上昇がされています。
経済協力開発機構(OECD)のデータでは、日本の平均年収は過去30年間でほとんど変化がないのに対して、先進国は上昇傾向にあるのがわかります。
上記の結果からも、日本は世界の経済成長から取り残されている状態であり、現在もなお世界的に問題視されているのが現状です。
30年の日本の平均年収の推移で浮き彫りになる日本の課題
日本は過去30年間でほとんど平均年収が変わっておらず、これは世界的に見ても異例の事態といえます。
30年の日本の平均年収の推移から浮き彫りとなった課題として、「賃金を上げなくても労働者がいる」ことが挙げられます。
平均年収を上げようとした場合、労働需要に対して労働人材が不足すれば、必然的に賃金が上昇し、年収アップにもつながります。
しかし、近年の日本産業においては、パートやアルバイトといった「非正規労働者」が増加傾向にあることから、正規労働者の賃金が上昇して無理に人材を確保しなくても、経済が成り立ってしまう現状があるのです。
非正規労働者が増加している背景として、公的年金受給開始年齢の引き上げや、育児と仕事の両立の推進が進められていることが挙げられます。
上記の制度の改正から、介護や育児を担う方が働ける機会が増えたものの、フルタイムで働くことは難しいことから、非正規労働という形で働くケースが多いのです。
このような背景から、日本では賃金水準の低い「非正規労働者が増加傾向」にあり、結果として労働人材の確保が十分であることから、賃金水準が停滞し、年収の上昇につながりにくくなっていることも一因だと考えられます。
給与は変わらず生活が苦しくなっている背景
日本の平均年収の推移から浮き彫りとなったもう1つの課題として、過去30年間賃金が変わっていないのにもかかわらず、出ていくお金は増えていっていることも挙げられます。
日本では、近年物価高が続いているだけでなく、消費税や社会保険料の負担も増加していることから、30年前よりも生活にゆとりのない世帯が増えている現状があります。
実際に、株式会社帝国データバンクの調査によると、2023年の値上げ品目数は累計3万1887品目になるとされており、類を見ない記録的な値上げラッシュが続いています。
また、消費税においては過去30年間で3.3倍に、保険料に関しても「全国健康保険協会」では過去30年間で1.8ポイントほど健康保険料率が上昇しています。
このように、平均年収が変わらないだけでなく、物価高や消費税及び保険料の増額がこの30年間でされていることから、「給与は変わっていないのに生活が苦しい」と感じる人が多くなっているのです。
もちろん、週休2日制が導入されて働き方改革が進むなど、労働環境の改善を実感する方もいるでしょう。
環境は向上しつつ、経済的には苦しくなる状況が続いているのが実情なのかもしれません。
生活が苦しいと感じる場合は転職も視野に
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本記事では、日本の平均年収の推移とともに、ここ30年の推移で浮き彫りになる日本の課題について紹介していきました。
日本の平均年収は、過去30年間でほとんど変わっておらず、世界的に見ても停滞し続けている現状があります。
一方で、物価高や消費税・社会保険料などの負担は年々重くなっており、給与は変わらないのに出ていくお金は増えていく負の連鎖が続いています。
「給与が変わらずに生活がどんどん苦しくなっている」という方は、転職も視野に入れることをおすすめします。
現代では、以前よりも「転職は当たり前の時代」になっていることから、年収アップを目的に転職をする人は少なくありません。
現在の職場で長期的に働いても、大幅な年収アップの見込みがない場合は、転職することも視野に検討をしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
- 国税庁「平成12年分 民間給与実態統計調査」
- 国税庁「平成14年分 民間給与実態統計調査」
- 経済協力開発機構(OECD)「Average wages」
- 株式会社帝国データバンク「10月の食品値上げ、4634品目 第三のビールなど「酒類・飲料」最多 一部は値下げも」
- 国税庁「税の歴史」
- 全国健康保険協会「保険料率の変遷」
太田 彩子