人口減少、建築資材や人件費の高騰、空き家の増加などによって住宅の新規着工件数の減少が予想される中で、分譲住宅の着工件数が増加しているようです。

国土交通省総合政策局建設経済統計調査室が公表した建築着工統計調査報告によると、2022年(令和4年)の分譲住宅(マンション等含む)の着工戸数は25万5487戸で、そのうち一戸建住宅(建売住宅)は14万5992戸となっており、前年比3.5%増で2年連続の増加になっています。

建売住宅は何と言っても価格が抑えられていることが大きな魅力ですが、不特定多数の方をターゲットに設計されるので不満点も少なくありません。

そこで本記事では実際に建売住宅を購入した方の体験談を元に、不満な点と満足した点を紹介したいと思います。

建売住宅を購入して不満な点とは?

まずは不満に感じているポイントから見ていきましょう。これから紹介するのは、次のような方の体験談をもとにしています。

  • 【居住地】   千葉県
  • 【購入価格】  2400万円
  • 【購入者の年齢】44歳

建売住宅の不満点1:雨戸が開閉しにくくなった

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aomas/shutterstock.com

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「家の造りがしっかりしていないのか、購入してから3年ほどで雨戸が開閉しにくくなってしまいました」

築3年程で雨戸の建付けが悪くなってしまうのは、単に戸車の損傷というわけではなく、構造躯体の木材に反りや歪みが発生している可能性があります。

こうした不具合は何も建売住宅に限ったことではなく、注文住宅でも発生することがあるので、一度専門家に原因調査を依頼した方が良いでしょう。

建売住宅の不満点2:日当たりが思ったよりも悪い

「日当たりが思ったよりも悪く、洗濯物がなかなか乾かないことがあるので後悔しています」

日当たりは季節によっても異なり、特に冬至周辺の時期に日当たりが悪くなります。

建売住宅は同じ区画の中にたくさんの住宅が建ち並び、地価が高い都市部になるほど狭い敷地に対して建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)の上限で建てられることが多いので、隣家との距離が近くなって日当たりが悪くなりがちです。

結果として「2階は日当たりが良くても1階は日当たりが厳しくなる」ということは建売住宅では決して珍しくないので、夏に現地を確認した場合には注意が必要です。

したがって、購入予定の建物と隣接する建物との距離を必ず事前にチェックしておくことが大切です。

建売住宅の不満点3:思ったよりも収納スペースが少ない

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Kostikova Natalia/shutterstock.com

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「思ったよりも収納スペースが少なかったため、日常生活においてもいろいろと不便を感じています」

建売住宅の設計者はできるだけリビングやキッチンなどの水回りを広くして、見栄え良くすることを優先する傾向があります。

そのため実際に住んでみると、収納スペースが足りないと感じる方が多いようです。

注文住宅であればそれぞれの家庭にあわせて必要な収納スペースを確保しようとしますが、建売住宅の場合にはそうしたことができません。

また販売する側の立場からも、わざわざ収納を増やして床面積を増やすよりも、収納を減らして販売価格を安くした方が売れ行きが良くなるという事情があります。

したがって現地を下見する際には、リビングやキッチンの広さだけに目をとらわれずに、収納スペースの量や広さをしっかりと確認しておくことが大切です。

建売住宅の不満点4:コンセントが不足している

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Studio113/shutterstock.com

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「コンセントが、自分が欲しい場所になく数も不足しているので、使い勝手が悪くて後悔しています」

コンセントの数には部屋の用途や広さごとにある程度の目安があり、建売住宅の場合はこれを元に設計しています。

しかし近年は調理家電やAV機器、ゲームなどが増えているため必要なコンセントの数が増えていると共に、ソファやベッド、収納家具などを設置するとコンセントが隠れてしまうこともあります。

したがって下見の際には、コンセントの数や設置位置などもチェックしておくことが大切です。

建売住宅を購入して満足している点は?

後悔ポイントがあるように、ご夫婦には満足ポイントも多数あるそうです。具体的に見ていきましょう。

建売住宅で満足した点1:入居できるまでの期間が短い

「注文住宅と違って入居できるまでの期間が短いので、早く転居することができたのが良かったです」

建売住宅のほとんどは完成済または建築中に販売開始になるので、注文住宅よりも早く入居できるのもメリットのひとつです。

契約して住宅ローンを組めば、すぐにマイホームでの生活を始めることができます。

特に転勤や子供の入学などで住宅購入を急いでいる人にとっては、大きなメリットといえます。

建売住宅で満足した点2:庭が広い

「庭が広々としているので、趣味の家庭菜園を思う存分楽しむことができる点が良かったです」

建売住宅は地価が高い都市部になるほど庭が狭くなりがちですが、物件によっては広々とした敷地に建っていることがあります。

こうした物件に出会うことができれば、非常にお買い得といえるでしょう。

建売住宅で満足した点3:駐車場が広い

「駐車場が広いため、大きな車でも十分に駐車が可能なので満足しています」

建売住宅の駐車場事情は地域や不動産会社の考え方によって大きく異なります。

都心の駅近物件では軽自動車1台分の広さしかない物件がある一方で、郊外では車2台分の駐車スペースがあることも珍しくありません。

車を所有している場合には、購入前に必ず駐車場の面積を確認しておく必要があります。

建売住宅で満足した点4:生活するイメージがしやすかった

「キッチンや浴室といった気になる水回りを実際に見学してから購入することができたので、生活するイメージがしやすくて良かったです」

建売住宅のメリットのひとつが、物件を自分の目で確かめてから購入の可否を判断することができる点です。

注文住宅の場合には図面を見て判断するしかありませんが、建売住宅の場合は実際に建てられた物件を見て購入することができるので、「イメージが違った!」と後悔するリスクを減らすことができます。

建売住宅で満足した点5:価格を抑えることができた

「注文住宅を建てるよりも価格を抑えることができたので、予算の範囲内でマイホームを取得することができました」

建売住宅の最大のメリットは、注文住宅よりも安い価格で購入できる点といえます。

また安価だから必ずしも品質が低いというわけでもなく、大規模に土地を仕入れて同時期に販売する、建物の仕様を統一して同じ設備機器や建材を大量に安く仕入れるなどといった住宅会社の企業努力によるものです。

様々な企業努力により安価で住まいを購入できるようになることは、消費者にとって好ましいことといえるでしょう。

建売住宅の購入前に押さえておきたいポイントまとめ

建売住宅の最大のメリットは、お金や時間(住宅会社との打ち合わせや工事にかかる時間)を節約できる点といえます。

一方でデメリットも少なくないので、建売住宅を購入する際には購入後に後悔することがないよう、本記事を参考にしてメリットとデメリットを事前によく検討することが大切です。

参考資料

亀田 融