日中はまだまだ暑い日が続くイタリアですが、日が落ちるのがめっきり早くなりました。朝晩の空気が秋めいてくると、ラザニアやミートソースのパスタなど、こってりした料理が恋しくなってきます。

イタリアのレストランやホテルを利用すると気になるのが、チップの習慣。いくらくらいを置くべきなのか、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。なぜ欧米にはチップの習慣があるのかも含め、相場について解説します。

18世紀頃から始まったチップの習慣

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チップという言葉は、英語では「tip」となります。この言葉に「チップをあげる」という意味が含まれるようになったのは、18世紀頃といわれています。

イタリアではチップのことを「mancia(マンチャ)」といいますが、これはフランス語で「投げ銭」を意味する「manche」に由来しているそうです。

チップの習慣がなぜ始まったかについては諸説あります。一説には、お仕着せで仕事をしていたホテルやレストランの従業員に、生活の足しになるようにという意味で、客たちが渡したお金がチップの始まりともされています。

チップの習慣は、各国によって事情が異なります。イタリアにおけるチップは、お客さんに強制するものではありません。しかし、チップを渡すことはスマートな習慣として定着していて、キャッシュレスが進む現在も続いています。